AIサーバがけん引、エレクトロニクス製品の世界市場調査:製造ITニュース
富士キメラ総研は、サーバやスマートフォン、ノートPCなどのエレクトロニクス製品の世界市場調査を発表した。サーバ市場はAI向けへの投資が市場をけん引し、スマートフォン市場は2030年以降、縮小すると見込む。
富士キメラ総研は2025年4月28日、サーバやスマートフォン、タブレット端末、ノートPCなどのエレクトロニクス製品の世界市場調査を発表した。
同調査によると、サーバの2024年市場は前年比5.9%増で、汎用サーバがほぼ横ばいとなったが、AI(人工知能)サーバが伸びたことで市場が拡大した。AIサーバの市場比率は約1割だが、今後学習用AIサーバや推論用AIサーバへの投資が進むことで、2030年には2割強まで拡大すると予想している。
スマートフォンの2024年市場は、前年比5.6%増の11億4000万台となった。2030年には2024年比で102.6%となる11億7000万台になると予測するが、先進国での新規需要の飽和や買い替えサイクルの長期化の影響で、2030年以降は縮小すると見込んでいる。
タブレット端末市場は、2023年に新型コロナウイルス感染症拡大による特需が終わり生産調整がされたことから大幅に縮小したが、2024年には在庫調整が進んだことで回復。2023年は、前年比2.9%増の1億3500万台となった。しかし、今後は需要を底上げする要因も見当たらないことから、市場は微減していくと予想し、2030年は2024年比で94.1%となる1億2700万台になると予測する。
ノートPC市場は、2023年に在庫調整が一段落したことで、2024年は前年比3.5%増の1億7700万台となった。2025年は「Windows 10」のサポート終了による買い替え需要増が見込まれるが、その反動で2026年と2027年は縮小すると予想。しかし、2028年以降には拡大が予想され、2030年は2024年比104.5%の1億8500万台になると予測する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
国内DX関連市場、30年度に8兆350億円規模へ スマート工場への投資も増
富士キメラ総研は、DX関連の国内市場調査結果を発表した。同市場は2030年度に8兆350億円まで拡大する見込みだ。特に、製造や物流、交通、金融、医療、介護などの業種で伸びが注目される。国内AIインフラ市場、2023年に1000億超市場へ IDC調査
IDC Japanは、国内のAIインフラ市場予測を発表した。2023年の支出額は前年比46.1%増の1094億8900万円の見込みで、2022〜2027年の支出額の年間平均成長率は16.6%、2027年の支出額は1615億5000万円になると予測している。2024年のエレクトロニクスフィルム世界市場 基板/回路分野が前年比15%増
富士キメラ総研は、AI(人工知能)サーバや車載半導体などに使用されているエレクトロニクスフィルムの世界市場に関する調査結果をまとめた「2025年 機能性高分子フィルムの現状と将来展望 エレクトロニクスフィルム編」を発表した。2024年の半導体材料世界市場は前年比3.8%増 先進材料の需要が増加
SEMIは、最新の半導体材料市場レポート(MMDS)において、2024年の半導体材料世界市場が、前年比3.8%増の675億ドル(約9兆6652億5750万円)だったことを発表した。リアルタイム映像処理用エッジAIサーバをフォックスコンなどと共同開発
ソシオネクストは、Foxconn Technology Group、Network Optixと共同で、エッジAIソリューション「Edge AI Server with VMS」を開発した。スマートリテール、スマートファクトリー、監視カメラ、医療において、リアルタイム映像処理を提供する。エイシングがエッジAIパートナープログラムを設立、ルネサスやNXPと提携
エイシングは、同社独自のエッジAIパートナープログラムを設立した。組み込みエッジAIの共同プロモーションを展開するもので、ルネサス エレクトロニクスおよびNXPジャパンをパートナー企業に迎えている。