レゾナックが減収もコア営業利益は増益 AI半導体向け後工程材が好調:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
レゾナック・ホールディングスは、2025年度第1四半期(1〜3月)の売上高が前年同期比0.3%減の3211億円で、営業利益は同51%減の139億8200万円となった。営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除外したコア営業利益は同55%増の148億円を記録した。
2025年下期に黒鉛電極事業の黒字化を目指す
イノベーション材料セグメントの売上高は前年同期比2%減の220億円で、コア営業利益は同2%減の21億円となった。同セグメントでは、自動車市場低迷の影響が限定的だったため、売上高とコア営業利益は前年同期並みだった。
ケミカルセグメントの売上高は前年同期比16%減の377億円で、コア営業利益は63億円の減益となった。同セグメントでは、化学品事業の売上高は前年同期並みで、一部製品の原料高により減益だった。グラファイト事業は、黒鉛電極の影響低迷の影響を受け販売数量と価格ともに下落し減収。前年同期に計上した低価法戻り益(期末に棚卸資産の時価が取得原価を下回っていた場合、その差額を評価損として計上し、翌期以降にその評価損を戻し入れることによって発生する利益)も当期は発生せず、赤字が拡大した。
染宮氏は「当期は構造改革の一環で黒鉛電極を生産する中国とマレーシアの事業所を閉じ、従業員の退職金や生産の設備の撤去費用を、当期の非経常項目における特別退職金と事業構造改善費用として計上した。ただし、当社の黒鉛電極の生産能力はまだ需要に比べて大きいため、今後も事業所の閉鎖も含めて構造改革を推進する。2025年下期に黒鉛電極事業の黒字化を目指す」と強調した。
クラサスケミカルセグメントの売上高は前年同期比4%増の787億円で、コア営業利益は同74.2%増の8億円だった。同セグメントでは、ナフサ価格に伴う販売単価上昇や、プラントの定期修理による誘導品の生産量減少で、増収増益となった。
なお、なお、レゾナック・ホールディングスでは2025年度決算から、開示セグメントに関して以下の一部変更を行っている。石油化学事業は、クラサスケミカル発足に伴いクラサスケミカルセグメントとして独立させ、黒鉛電極事業はカーボン負極材料事業との一体運営を開始しケミカルセグメントのグラファイト事業となった。
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