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AI歩行制御アルゴリズムを搭載した純国産の小型軽量な四足歩行ロボット:ロボット開発ニュース
Highlandersは、純国産の小型軽量な四足歩行ロボット「HLQ Air」のベータ版の提供を開始した。AI歩行制御アルゴリズム搭載で、30cmの段差や35度の傾斜を走破できる。
Highlandersは2025年5月1日、純国産の小型軽量な四足歩行ロボット「HLQ Air(エイチエルキューエアー)」のベータ版の提供を開始したと発表した。国内の自治体や研究機関、インフラ企業などを中心に提供し、正式な製品版は同年内のリリースを予定している。
同製品のサイズはスタンバイ状態で600×280×150mm、起立状態で600×280×280mm。A4サイズと同等のコンパクト設計のため、狭い通路や機械間の隙間といった限られたスペースでもスムーズに移動できる。質量はバッテリーを含めて8.5kg、最大積載重量は徐歩モードで3.5kg、通常歩行で2.0kg。バッテリーは連続歩行で25分、静止状態で90分の駆動が可能だ。
最高移動速度は平均3m/秒で、30cmの段差や35度の傾斜を走破できる。ML(機械学習)やRL(強化学習)を活用したAI(人工知能)歩行制御アルゴリズムを搭載しており、リアルタイムで各関節のトルクや位置を調整。歩行中の路面変化や外部からの力に対して即座に姿勢を補正する。センサーデータと学習モデルを組み合わせた適応型歩行制御により、芝生や傾斜路でも転倒しない。
本体は高強度樹脂やカーボン素材を採用し、ある程度の変形に耐える柔軟性を有する。カーボン骨格との組み合わせで、全体の耐久性も向上させた。また、破損してもコストの低い部品単位での交換が可能なため、メンテナンスが容易だ。
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