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川重の2足歩行ロボットが“魔改造”、サンドイッチマンロボも大インパクト――iREX2023サービスロボットレポート2023国際ロボット展レポート(1/4 ページ)

コロナ禍明けで以前の賑わいが戻ってきた「2023国際ロボット展(iREX2023)」。本稿では、サービスロボットゾーンの展示を中心にレポートする。近年の目玉になっている川崎重工業の2足歩行ロボット「Kaleido」はさらに進化を遂げ、人機一体による“魔改造版”も登場。サンドイッチマンならぬ「サンドイッチロボ」も注目を集めた。

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 2023年11月29日〜12月2日、東京ビッグサイトで「2023国際ロボット展(iREX2023)」が開催された。4日間の来場者数は14万8千人と、コロナ禍の真っ最中だった前回(2022年3月)から倍増、以前の賑わいが戻ってきた印象だ。圧倒的に多いのは産業用ロボット関連なのだが、本稿ではサービスロボットを中心に、筆者が見てきた展示についてレポートしたい。

コロナ禍以前の賑わいが戻ってきた「2023国際ロボット展」の会場の様子
コロナ禍以前の賑わいが戻ってきた「2023国際ロボット展」の会場の様子[クリックで拡大]

ロバストな「Kaleido」はタフさがアップ

 国際ロボット展での大きな目玉といえるのが、川崎重工業(以下、川重)が開発しているヒューマノイドロボット「Kaleido(カレイド)」である。筆者も楽しみにしていて、毎回真っ先にブースに向かうのだが、今回のKaleidoは最新のバージョン8が初公開。デモでは、災害発生時の避難所を想定した動きを紹介していた。

川崎重工業ブースの「Kaleido」
川崎重工業ブースの「Kaleido」。人間との協調動作も披露していた[クリックで拡大]

 Kaleidoは、転んでも壊れないタフなロボットを目指し、開発が進められているもの。今回のバージョン8では、直動型モーターの関節を増やすなどして、タフさをアップしたという。また、頭部にはプロジェクターを内蔵。顔や状態を表示して、周囲の人間に情報を伝えられるようにした。

これまでと大きく変わったのが腰関節
これまでと大きく変わったのが腰関節。両側のリンクでヨー/ピッチを動かす[クリックで拡大]
頭部のプロジェクターには、顔や文字などさまざまな情報を表示できる
頭部のプロジェクターには、顔や文字などさまざまな情報を表示できる[クリックで拡大]
ブースには小型「Kaleido」のパネルもあったが、これ以上の情報はなかった
ブースには小型「Kaleido」のパネルもあったが、これ以上の情報はなかった[クリックで拡大] 出所:川崎重工業

 Kaleidoはタフでパワフルなところがウリであり、将来的には災害現場での活躍も期待されているが、そのハードルはまだ非常に高い。今回、避難所を想定した作業のデモを行っていたのは、その前段階として、より現実的なシーンを考えたためだ。デモの内容については、以下の動画を参照して欲しい。

川崎重工業「Kaleido」のデモ[クリックで再生]

 近年、2足歩行ロボットは、海外で多くの企業が新規参入し開発を進めている。以前、この分野は日本のお家芸といわれていたが、それは既に過去の話。しかし川重はその中で、現在も力を入れて開発を進めている数少ない日本企業の1つであり、今後の実用化に期待したいと思う。

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