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川重の2足歩行ロボットが“魔改造”、サンドイッチマンロボも大インパクト――iREX2023サービスロボットレポート2023国際ロボット展レポート(2/4 ページ)

コロナ禍明けで以前の賑わいが戻ってきた「2023国際ロボット展(iREX2023)」。本稿では、サービスロボットゾーンの展示を中心にレポートする。近年の目玉になっている川崎重工業の2足歩行ロボット「Kaleido」はさらに進化を遂げ、人機一体による“魔改造版”も登場。サンドイッチマンならぬ「サンドイッチロボ」も注目を集めた。

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隣の人機一体ブースには黒い「Kaleido」も

 人機一体は、開発中の多数のロボットを出展していた。ブースのコンセプトは「2030年代の機械化された工事現場」。同社の人機シリーズは、AI(人工知能)による自動化ではなく、全て人間が操縦する点が大きな特徴である。人間が状況を判断し、ロボットを動かす。これにより、人間を危険でつらい作業から開放するのが狙いだ。

人機一体の「零一式カレイド ver.1.0」
人機一体の「零一式カレイド ver.1.0」。右の操縦者が動かしている[クリックで拡大]

 まず紹介したいのは、隣のブースの川重が開発したKaleidoをベースに人機一体がカスタマイズした「零一式カレイド ver.1.0」だ。頭部は、ステレオカメラなどが付いたものに交換。制御ソフトウェアも同社のものに入れ替えており、隣の操縦席から、マスタースレーブ方式で動かす様子を披露していた。

頭部には、ステレオカメラ、マイク、スピーカーなどを搭載
頭部には、ステレオカメラ、マイク、スピーカーなどを搭載[クリックで拡大]

 川重から機体が届けられたのは1カ月前とのことで、それでここまでカスタマイズしたというのも驚きだが、さらに下半身も動かせるようにする予定だという。同社には既に、アスベストが使われている古い電車の解体作業で使えないか、という問い合わせもあったとか。川重にとっても、こうした他社との協力は、メリットが大きそうだ。

人機一体「零一式カレイド ver.1.0」のデモ[クリックで再生]

 今回が初公開だったのは「零二式人機 ver.1.0」だ。従来の「零式人機」が上半身の双腕型だったのに対し、この零二式は単腕型となるが、パワーを強化。最大150kgまでのハンドリングが可能だという。高所作業車のデッキ上で運用し、重量物を所定の位置に固定、それから人間がボルト締めを行うような使い方が考えられている。

「零二式人機 ver.1.0」のデモ[クリックで再生]

 また「人機GSP ver.1.3」も興味深かった。これは、竹中土木、東北電力ネットワークと共同開発したもの。従来、橋梁の補強工事などでは、上からクレーンで吊り下げることができなかったため、人力での取り付け作業が行われていた。人機GSPは、耐震補強ブラケットなどの重量物を軽々と動かし、ボルトへの位置合わせも簡単にできるという。

6本の直動型アクチュエータにより、6軸制御(3軸移動+3軸回転)が可能
6本の直動型アクチュエータにより、6軸制御(3軸移動+3軸回転)が可能[クリックで拡大]
「人機GSP ver.1.3」のデモ[クリックで再生]

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