UR史上最速15kg可搬の協働ロボット、最大30%タクトタイムを短縮:協働ロボット
ユニバーサルロボットは、同社のロボットで最速となる最大TCP速度を実現した、可搬重量15kgの協働ロボット「UR15」を発表した。
ユニバーサルロボット(UNIVERSAL ROBOTS)は2025年5月12日、可搬重量15kgの協働ロボット「UR15」を発表した。同日より受注を開始しており、出荷開始は同年6月を予定している。
UR史上最速の最大TCP速度毎秒5m、最新プラットフォームにも対応
協働ロボットはリスクアセスメントを適切に行うことで、安全柵を設けずに人と同じ空間で動作できる。だが、安全性を保つことができる反面、協働ロボットは産業用ロボットに比べて作業スピードが遅かった。
UR15は、最大TCP(ツールセンターポイント)速度が毎秒5mというユニバーサルロボットの中で最速となるスピードを実現した。ピック&プレース用途では、既存のURロボットに比べてサイクルタイムが最大30%短縮できるという。また、独自のOptiMoveテクノロジーを搭載しており、動作軌道を最適化することで振動を抑えながら滑らかな動きを可能にした。
URの最新ソフトウェアプラットフォームである「PolyScope 5」および「PolyScope X」に対応。特に、AI(人工知能)を使ったアプリケーション開発を加速するツールキット「UR AI Accelerator」を活用することで、AIによる高度な自動化ソリューションを構築できる。
ユニバーサルロボットがNVIDIAと共同開発したUR AI Acceleratorは、NVIDIA Jetson AGX Orin システム・オン・モジュール上で動作するNVIDIA Isaac CUDA アクセラレーテッドライブラリおよびモデル群を使用する。
可搬重量は15kgだが、パレタイジングのようにハンド部分を下向きに使用するアプリケーションでは、最大17.5kgまで対応。IP65準拠の高い防塵(じん)、防水性能を備えており、過酷な環境下でも容易に設置、運用できる。
UR15は35kg可搬のU30、25kg可搬のU20に続く旗艦モデル「URシリーズ」の最新モデルという位置付けになる。標準モデル「e-Series」もアップデートしており、UR5eは可搬重量を2.5kg増加させ、製品名を「UR7e」へと変更。また、すでに12.5kgの可搬重量に対応していたUR10eも、製品名を「UR12e」とする。
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