ニュース
デンカが高信頼性放熱ベース板の生産能力を1.3倍に増強:工場ニュース
デンカは、環境/エネルギー分野のさらなる成長を目的に、大牟田工場や中国の電化電子材料で高信頼性放熱ベース板「アルシンク」の生産設備増強投資を決定した。
デンカは2025年5月13日、環境/エネルギー分野のさらなる成長を目的に、大牟田工場(福岡県大牟田市)や中国の電化電子材料で高信頼性放熱ベース板「アルシンク」の生産設備増強投資を決定したと発表した。今回の投資により、生産能力を2027年後半に約1.3倍に拡大する。
アルシンクは、アルミニウムとセラミックスから成る複合材料で、セラミックス基板に近い熱膨張率と、窒化アルミニウム(AlN)と同等以上の熱伝導率を併せ持つヒートシンク材料として、搭載されるハイパワーモジュールの高性能化や長寿命化に貢献する。
同製品は、高性能が要求される電鉄向けインバーター用のパワーモジュール用途で広く採用されている。今後も、世界的な高速鉄道網の整備に加え、再生可能エネルギー分野での直流送電向けの需要拡大が見込まれており、供給体制の拡充が求められていた。そこで、デンカは同製品の生産能力を増強し供給体制をさらに強化する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
使用済みPSのケミカルリサイクルプラントが千葉で完成、処理能力は年間3000t
デンカと東洋スチレンは、開発を進めていた使用済みポリスチレン(PS)のケミカルリサイクルプラントがデンカ千葉工場(千葉県市原市)内で完成したと発表した。デンカが低炭素アセチレン製造技術に関する共同研究と実証設備導入の契約を締結
デンカとTransform Materialsは、低炭素アセチレン製造技術に関する共同研究と実証設備導入の契約を締結した。マイクロ波プラズマを活用するアセチレン製造設備の導入により、主力製品のCO2排出量削減を目指す。卵殻含有のPSとABSを開発、独自の加工で従来品と同等の強度を実現
デンカは、天然素材含有プラスチックとして、樹脂に卵殻粉を分散混錬した「卵殻含有PS」や「卵殻含有ABS」の開発を進めている。卵の殻がガンプラに、デンカがPS樹脂ベースのサステナブルプラを開発
デンカは、食品産業廃棄物として焼却および廃棄処分される卵殻をPS樹脂に配合したサステナブルプラスチック「PLATIECO」を開発した。次世代高速通信向け低誘電有機絶縁材料の製造プラントを建設
デンカは、約70億円を投資して、低誘電有機絶縁材料「スネクトン」の製造プラントを建設する。スネクトンは伝送損失を抑えるため、高速通信機器の銅張積層板や層間絶縁材向けの素材として期待されている。