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ボッシュが注力する水素エンジン、「10年以内の大幅成長は期待薄だが重要」脱炭素(2/2 ページ)

ボッシュグループの2024年の売上高は前年比1.4%減の903億ユーロ、支払金利前税引前利益は35.4%減の31億ユーロだった。支払金利前税引前利益率は3.5%だった。

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モビリティ事業

 モビリティ事業は電動化、水素、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)が成長の柱になる。ソフトウェアに関しては、エントリー/ミッドレンジ/プレミアムという3つのセグメントの運転支援モジュラーシステムと、AI機能を搭載したコックピットビークルコンピュータをこのほど発表した。

 モビリティでは水素エンジンを未来の重要なテクノロジーの一つに位置付けている。大型のオフハイウェイトラックや建設機械、農業機械向けだ。10年以内の大幅な成長は期待できないが、進展が予想より遅れたとしても水素は重要な役割を果たすという。ドイツ政府に対し、水素エンジンに対するエネルギー税の免除を早期に実現するよう求めている。

 英国とEUでの新車生産が減少している他、電動化や燃料電池、自動運転技術などは、普及に業界の予想以上の時間を要し、成長も緩やかなペースとなっている。電動モビリティ向けの拠点はまだフル稼働に至らない可能性がある。2025年は欧州や中国で50件の大規模な量産を開始する予定だ。

消費財事業

 消費財事業はプロフェッショナル向けも含めてコードレス工具のラインアップ拡充に力を入れる。2025年は90種類の新製品を発売する。

 家電では接続規格「Matter」を積極的に導入し、Matter対応の冷凍冷蔵庫を2025年に発売する。容易かつ安全にメーカーの垣根を超えたネットワーク化が可能になる。アフリカ初の家電工場を稼働させた他、エジプトの新工場で年間最大35万台のオーブンレンジを生産する。

産業機器テクノロジー事業

 産業機器テクノロジー事業は、受注量の安定化を見込み、ソフトウェアと関連するサービスで2030年初めまでに10億ユーロの売上高を目指している。「Hydraulic Hub」などの包括的なデジタルサービスで、産業用油圧機器のサービスとメンテナンスを簡素化/迅速化し、稼働率向上を図る。

エネルギー・ビルディングテクノロジー事業

 エネルギー・ビルディングテクノロジー事業では、2025年半ばにもジョンソンコントロールズ日立空調(日立グローバルライフソリューションズとジョンソン・コントロールズ・インターナショナルの合弁会社)の買収が完了する。北米とインドにおいて、買収による成長が期待できるという。製品では、ハイブリッドヒートポンプシステムも成長に寄与する。ガスまたは石油のボイラーとしての個別運転や、ヒートポンプユニットとの併用に対応する。電気のみで動作させることも可能だとしている。

 森林火災の早期発見を可能にする山火事検知ソリューションも提案する。ガスセンサーが煙を検知し、AIによって救急サービスに通報する。ドローンで収集された情報の提供も可能だ。

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