連載
身近で手軽な防犯グッズ「南京錠」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(10)(4/4 ページ)
本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第10回のお題は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」です。
ダイヤル式南京錠のリセット/再設定の仕組み
ダイヤル式の南京錠には暗証番号(正しい数字)をリセット/再設定できるタイプのものもあります。種類によって方法もさまざまなようですが、今回筆者が購入したダイヤル式の南京錠は次のような方法でリセット/再設定できました。
鍵式、ダイヤル式、そして今回は説明しませんでしたが押しボタン式など、南京錠には、タイプによってそれぞれ異なる仕組みと構造が採用されています。防犯用途の施錠などに使われる製品だけあって、ピンシリンダーの精密さ、カムの連動構造、ロックピンの機械的な工夫など、複雑な仕組みで成り立っていることがよく分かります。
南京錠の構造や仕組みは非常に学びが多く、施錠/解錠という機能の実現はもちろんのこと、さまざまなシーンで応用できると思います。今回の内容が皆さんの製品開発のヒントになれば幸いです。 (次回へ続く)
著者プロフィール:
落合 孝明(おちあい たかあき)
1973年生まれ。株式会社モールドテック 代表取締役(2代目)。『作りたい』を『作れる』にする設計屋としてデザインと設計を軸に、アイデアや現品に基づくデータ製作から製造手配まで、製品開発全体のディレクションを行っている。文房具好きが高じて立ち上げた町工場参加型プロダクトブランド『factionery』では「第27回 日本文具大賞 機能部門 優秀賞」を受賞している。
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