身近で手軽な防犯グッズ「南京錠」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(10)(3/4 ページ)
本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第10回のお題は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」です。
(2)ダイヤル式南京錠の部品構成
続いて、ダイヤル式南京錠について見ていきましょう。
ダイヤル式の南京錠は鍵を持ち歩かなくてもダイヤルで数字(暗証番号)を合わせるだけで解錠できる南京錠です。主に次のような部品で構成されています(図7)。
シャックル
U字型のロック部分です。今回取り上げる製品は、押しボタンをプッシュするとシャックルの一部がカラビナのように外れて解錠できます。
ダイヤル
0〜9の数字が刻まれた回転リングです。今回取り上げる製品の暗証番号は3桁になります。
押しボタン
ダイヤルで数字を合わせて解錠するときに押します。内部のロックピンを押し込む役割を果たします。
カム
各ダイヤルと連動する内部の部品です。カムの側面に小さな切り欠き(ノッチ)が付いています。
ロックピン
ノッチがそろったときに入り込み、シャックルを解放する部品です。
ダイヤル式南京錠の動作の仕組み
ダイヤルとカムは連動しており、ダイヤルを回すと内部のカムも一緒に回転します。また、ロックピンにはカムの切り欠きの大きさに合わせた凸部があります。
カムの切り欠きとロックピンの凸部がそろうことで、ロックピンが押し込めるようになり、シャックルを外せます。これが正しい数字が全てそろった状態です。正しい数字が全てそろうと切り欠きが一直線となり、ロックピンを奥まで押し込んで解錠できます(図8中央)。
逆に、切り欠きの位置がそろっていない状態の場合は、ロックピンの凸部がカムに引っ掛かってしまい奥まで押し込むことができず、解錠できません(図8右)。
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