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身近で手軽な防犯グッズ「南京錠」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(10)(2/4 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第10回のお題は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」です。

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鍵式南京錠の動作の仕組み

 鍵式南京錠は、内部の「シリンダー構造」によって施錠/解錠が行われます。その動作を細かく見ていきましょう。

1.鍵を差していない状態

 鍵を差していない状態では、各ピンがスプリングの力によって不規則な位置に並び、上下ピンの境界がシリンダーとの境界線をまたいでいます。この状態では、下ピンがシリンダーに引っ掛かりシリンダーは回転できません(図4)。

鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(鍵を差していない状態)
図4 鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(鍵を差していない状態)[クリックで拡大]

2.鍵を差し込む

 鍵にはギザギザの切り込みがあり、それぞれ異なる高さになっています。鍵を差し込むと、その切り込みに応じてピンが押し上げられます。正しい鍵を差すと、上下ピンの境界がシリンダーの境界とぴったり一致します(図5)。

鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(鍵を差し込んだ状態)
図5 鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(鍵を差し込んだ状態)[クリックで拡大]

3.鍵を回す(解錠)

 全てのピンの境界がシリンダーの境界とそろうと、シリンダーを回せるようになります。シリンダーが回転することで、内部のロッキングバーが外れ、シャックルが引き抜ける(=解錠できる)ようになります(図6)。

鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(解錠の際の動き)
図6 鍵式南京錠の内部のシリンダー構造(解錠の際の動き)[クリックで拡大]

4.鍵を抜く

 鍵を抜くとピンが元の位置に戻るため、再びシリンダーの回転がロックされます。

 以上の動作を繰り返すことで解錠/施錠できます。

 異なる鍵(間違った鍵)を差した場合はピンとシリンダーの境界は一致せず、解錠できません。よって、鍵式の南京錠を解錠するには正しい鍵が絶対に必要なのです。

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