ゲームエンジン活用で月のデジタルツイン構築 小型群ロボット開発を支援:メカ設計ニュース
シリコンスタジオは、竹中工務店が進める月面探査用の小型群ロボットシステムに向けたシミュレーション環境の開発を、ゲームエンジン「Unity」を活用したデジタルツイン技術で支援した。
シリコンスタジオは2025年4月24日、竹中工務店が進める月面探査用の小型群ロボットシステムに向けたシミュレーション環境の開発を、ゲームエンジンを活用したデジタルツイン技術で支援したことを発表した。

シリコンスタジオは、竹中工務店が進める月面探査用の小型群ロボットシステムに向けたシミュレーション環境の開発を、ゲームエンジンを活用したデジタルツイン技術で支援した[クリックで拡大] 出所:シリコンスタジオ
今回開発したシミュレーション環境は、ゲームエンジン「Unity」のデジタルツイン技術で構築された3Dの仮想空間で、ロボット開発のためのフレームワーク「ROS(Robot Operating System)」と連携することで複数の小型群ロボットの動作を正確にシミュレーションできる。ROSによる操作内容を受信して、小型群ロボットの挙動を実物と同様にUnity上でリアルタイムに再現し、計算結果をROSメッセージとして送信する。
同シミュレーション環境は、月面の重力を忠実に再現した3Dの仮想空間上で、数十台規模のロボットを同時に動かし、挙動などを確認することが可能だ。これにより、AI(人工知能)学習のためのセンサー情報やカメラによる撮影データの取得、バッテリー充電システム、月の溶岩チューブ(溶岩が流れた後にできたトンネル状の空洞)内における地図作成の仕組みなどを、実空間ではなく仮想空間で事前に検証できる。
仮想空間に再現された溶岩チューブは、竹中工務店が富士山麓の溶岩チューブを実際にスキャンして取得した3D地形データを基に作成した。小型群ロボットおよびそれらの電力や通信を補う星型多面体のコンテナは、竹中工務店が設計したCADデータを3Dモデル化してUnityに取り込んだ。タイヤの回転による移動やコンテナを押す動きなど、小型群ロボットの挙動は物理計算によって描画している。
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