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高品質CGをリアルタイムで描画、シリコンスタジオが独自のミドルウェアで実現日本ものづくりワールド 2020

シリコンスタジオは「日本ものづくりワールド 2020」でレンダリングエンジン「Mizuchi」を展示した。高品質なCGコンテンツのレンダリングを、60分の1秒と高速で実行する。

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 シリコンスタジオは「日本ものづくりワールド 2020」(2020年2月26〜28日、幕張メッセ)内の「第28回 3D&バーチャル リアリティ展」で、リアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi」などを展示した。

「3D&バーチャル リアリティ展」でのシリコンスタジオブースの様子[クリックして拡大]
「3D&バーチャル リアリティ展」でのシリコンスタジオブースの様子[クリックして拡大]

 MizuchiはGPUを活用したレンダリング技術により、60分の1秒というスピードでCGコンテンツの描画を実行する。これまでリアルタイムレンダリングは、描画処理の高速性という利点はあるものの、映像品質については、CPUを用いたプリレンダリングなどの手法には及ばないとされていた。

 シリコンスタジオはこの課題を、新規技術を搭載したミドルウェアの開発によって解決した。具体的には、フレアなどのレンズエフェクトをモデルデータにかけて空間の説得力を高めるポストエフェクトミドルウェア「YEBIS3」や、ライティングに必要な大規模演算を独自技術により効率よく処理するミドルウェア「Enlighten」を開発し、これらをMizuchiに搭載した。これにより映像品質の面での課題を解決し、高速性と高い映像品質を両立するリアルタイムレンダリングを可能にした。ツール自体も軽快に動作し、「一般的に入手可能なハイエンドPCやノートPCでも高速に動作する」とシリコンスタジオの説明員は述べる。

高品質なリアルタイムレンダリングを可能にするレンダリングエンジン「Mizuchi」[クリックして拡大]
高品質なリアルタイムレンダリングを可能にするレンダリングエンジン「Mizuchi」[クリックして拡大]

 Mizuchiで制作したCGは、ルック要素(色や材質)を自由に変更できる上、変更点をCGモデルにリアルタイムで反映できる。このため「顧客との打ち合わせの場で受けた要望を瞬時に取り入れ、その場で再提案できるといったメリットがある」(同説明員)という。

 また同説明員は「Mizuchiの用途は幅広く、モデルルームの内装デザインにも使える。だが、最近は自動車のデザインに活用するケースが目立つ。車体やタイヤ、ホイールなどのエクステリアはもちろん、スピードメーターやダッシュボードなどのインテリアの色や素材を高速で制作できる点が評価されているようだ」とも語った。

 さらにMizuchiは、DCC(Digital Content Creation)ツールの「Maya」との連携を可能にするオーサリングツール「Mizuchi Extension for Maya」も提供する。これはMayaのプラグインとして機能し、モデリングやカメラセッティング、アニメーション、レイアウトなどは標準のMayaの操作で行え、Mizuchiのマテリアル設定などはMaya上に実装されたUIで設定できる。「新しい操作手順を覚える必要がなくなる上、ツール間でデータをやりとりする手間もなくなり、手戻り作業が減らせる」(同説明員)。

Mayaのプラグインとして機能するオーサリングツール「Mizuchi Extension for Maya」[クリックして拡大]
Mayaのプラグインとして機能するオーサリングツール「Mizuchi Extension for Maya」[クリックして拡大]

 今後、「Blender」や「3ds Max」「Houdini」といったDCCツールに対応していくことも検討しているという。

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