トヨタ新型車に採用 ゴムパッキン不要のバンパーリテーナー:メカ設計ニュース
ニフコは、ゴムパッキンを使用せずに止水性能を実現する「パッキンレス・バンパーリテーナー」を開発し、トヨタ自動車向けに量産を開始したと発表した。
ニフコは2025年4月21日、ゴムパッキンを用いずに止水性能を確保した「パッキンレス・バンパーリテーナー」を開発し、トヨタ自動車(以下、トヨタ)向けに量産を開始したと発表した。
バンパーリテーナーは、自動車のバンパーをボディーに取り付けるための部品だ。ニフコの製品は、樹脂製ピンを用いて電動工具なしでワンタッチで締結できる構造が特長である。従来は、バンパーリテーナーとボディーを接合する締結部(グロメット)にゴムパッキンを挟み込むことで水漏れを防いでいた。
今回の新製品は、グロメットの四方を取り囲むように配置されたボディー着座面により、狭小スペースでも安定してボディーに取り付き、グロメットと一体成形された薄肉フランジによって、ゴムパッキンを使わずに止水性能を確保できる構造となっている(現在、特許出願中)。
薄肉フランジは、ピン押し込み時のグロメットの引き込み力によりたわみが生じることで安定した止水性能を維持できる。締結に使用する樹脂製ピンも含めた構成部材のモノマテリアル化(単一素材化)によってリサイクル性が向上し、カーボンニュートラルや循環型社会の実現にも貢献する。さらに、ゴムパッキンの取り付け工程が不要になることから、リテーナーの製造工程における自動化や省人化の促進にもつながる。
パッキンレス・バンパーリテーナーは、トヨタの新型「CROWN ESTATE」などに搭載されている。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
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