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患者の長期管理を支援するECMO装置を発売、新型コロナなどの重症呼吸不全に対応:医療機器ニュース
テルモは、ECMOシステムの中核を担う体外循環装置用遠心ポンプ駆動装置の新機種「キャピオックス遠心ポンプコントローラー SP-300」の販売を開始した。患者に対する長期管理の支援機能を強化している。
テルモは2025年3月25日、ECMO(体外式膜型人工肺)システムの中核となる体外循環装置用遠心ポンプ駆動装置「キャピオックス遠心ポンプコントローラー SP-300」の販売開始を発表した。新型コロナウイルスなどの重症呼吸不全患者に対する、長期管理の支援機能を強化した。
ECMOは、装置で心臓や肺の機能を一時的に補助し、患者の状態回復まで血液循環や呼吸をサポートする治療方法だ。ECMOシステムは、遠心ポンプと人工肺を含む血液回路キット、送脱血カニューレ、遠心ポンプ駆動装置などで構成されている。
新型コロナウイルス感染症の流行時には、数週間にわたってECMOシステムを使用するケースが多かったことから、SP-300は患者の安全な長期管理を目指して開発。従来機種よりモニタリング機能を強化し、血栓の発生など異常を検知するセンサーを増やした。
具体的には、循環する血液の流れと気泡の混入を検知する流量、気泡センサーを2チャンネルに増やした。また、複数箇所の圧力を測定するため、圧力センサーを3チャンネルとした。新たに酸素飽和度センサーも2チャンネル搭載している。
センサーで測定したパラメーターは、トレンドグラフでデータの変化を確認でき、トラブル発生のタイムリーな検知や事後の振り返りにも対応する。従来機種で使用していたものと同様の人工肺、血液回路に対応しており、回路交換などのセットアップ手順も変更はない。
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