製造業への転職で83.9%が年収アップ、IT職種は96%が給与増:キャリアニュース
タイズが「転職前後の年収変動」についての調査結果を発表した。製造業への転職で全体の83.9%は年収が増加していた。転職で年収が上がりやすいのは「30〜34歳」で、「IT系職」は96%が年収アップしていた。
メーカー専門の転職エージェントであるタイズは2025年3月31日、「転職前後の年収変動」についての調査結果を発表した。
同調査は、2024年度にタイズを利用して転職した20〜40代の男女のうち、無作為に抽出した304人を対象とした。
初めに、転職前後の年収差額を尋ねたところ、メーカー業界への転職により全体の83.9%は年収が上がっていた。年収アップの平均額は100万9217円、中央値は99万7886円だった。また、200万円以上の大幅な増加をした転職者は約15%で、前職より10%以上年収が増加した人は64.1%、転職後の年収上昇率は平均で約16%となっている。
転職前後の年収差額を年代別に見ると、転職で年収が最も上がりやすい年代は「30〜34歳」だった。この年代は年収が下がった人の割合が約1割と他の年代に比べて最も低く、約56%が100万円以上年収が上がっていた。「22〜29歳」は、87%が年収アップしていたが、増加額については多くが100万円未満にとどまっていた。
「35〜39歳」は、年収が下がった人の割合が30%と最も高かった。この年代の転職で重視されるマネジメント経験の有無が年収の増減に大きく影響していると考えられる。一方で、200万円以上の大幅アップを叶えた人も多く見られた。
「IT系職種」は96%が年収アップ
続いて、職種別に転職前後の年収差額を調べた。「年収UP」の回答が最も多かった職種は「IT系職種」で、96%が年収アップしていた。次いで、「技術系(電気/電子)」の88%、「技術系(化学/素材)」の84%となっている。職種ごとの差はそれほど大きくなかったが、「技術系」の方が、「営業系」や「企画/バックオフィス系」などの文系職種よりも年収アップしやすい傾向が見られた。
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