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半導体製造フォトリソグラフィ工程で使用する高純度現像液を再生する新工場:工場ニュース
長瀬産業、ナガセケムテックス、Sachemの合弁会社であるSN Techが、半導体製造に使用する高純度現像液TMAHを回収、再生する新工場「SN Tech 東大阪第二工場」を開設した。
長瀬産業は2025年3月19日、同社とナガセケムテックス、Sachemとの合弁会社SN Techが、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を回収、再生する新工場「SN Tech 東大阪第二工場」を東大阪市に開設したと発表した。
TMAHは、半導体製造のフォトリソグラフィ工程で使用される高純度現像液だ。TMAHの再生には電解、精製に関する高度な技術が必要なため、再利用が難しく、環境負荷やコストが課題となっていた。SN Techは、2008年から液晶パネル製造で使用されるTMAHの回収、再生に取り組んでおり、その技術やノウハウを半導体分野に活用する。
新工場の敷地面積は2603m2で、TMAHの製造や高純度化を担う電解、精製設備を有している。半導体工場から再生原料を回収してリサイクルし、半導体グレードの25%TMAH水溶液を供給する。長瀬産業によると、使用済みTMAHを回収、再生して販売するのは国内で初の事例だという。
新工場は、2025年度中に量産稼働を開始する。SN Techは国内市場だけでなく海外展開も視野に入れながら、半導体関連事業のさらなる拡大を目指す。
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