ソフトウェア定義型製品向けの電子機器開発プラットフォームを発表:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスとAltium(アルティウム)は、半導体製品の選定からシステムライフサイクルマネジメントまで、電子機器開発を効率化するプラットフォーム「Renesas 365 Powered by Altium」を発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2025年3月6日、半導体製品の選定からシステムライフサイクルマネジメントまで、電子機器開発を効率化するプラットフォーム「Renesas 365 Powered by Altium(Renesas 365)」を発表した。2026年初頭に提供を開始する。
Renesas 365は、ルネサスのAltium(アルティウム)買収後に、両社の知見と技術力を生かして開発。Altiumのクラウドプラットフォーム「Altium 365」をベースに、ルネサスの組み込みコンピューティングやパワー分野などの幅広い製品群と組み合わせている。ハードやソフトウェア、ライフサイクルデータをプラットフォーム上で統合することで、開発プロセスを効率化し、市場投入までの時間を短縮する。
「Silicon」「Discover」「Develop」「Lifecycle」「Software」の5つのコンセプトの下にシステムレベルで開発環境を統合しており、製品ライフサイクル全体でデジタル情報の継続的な追跡、管理を支援する。即時利用可能でソフトウェア定義型製品の開発に適した半導体製品や、部門横断でのリアルタイムなコラボレーションを可能にするクラウドベースの開発環境を提供する。
また、持続的なデジタルトレーサビリティーにより、無線通信によるOTA(Over the Air)アップデートを自動化した。ソフトウェア定義型システムを最新アプリケーションに最適化するため、AI(人工知能)対応の開発ツールも提供する。
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