日系乗用車メーカーの生産台数ランキング、2025年1月の2位はスズキ:自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)
2025年1月の日系自動車メーカーの生産は、メーカーによって明暗が分かれた格好となった。トヨタ自動車やダイハツ工業が2024年の認証不正問題の反動などにより大幅にプラスとなった一方で、米国や中国、東南アジアの低迷によりホンダや日産自動車、三菱自動車などが2桁パーセント減と厳しい状況だった。
マツダ
マツダの1月のグローバル生産台数は、前年同月比15.9%増の10万5508台と6カ月ぶりにプラスへ転じた。要因は主力の国内生産が同22.6%増の6万5775台と6カ月ぶりに増加した。車種別では、主力車種の「CX-5」は同2.0%減と減少したが、ラージ商品群の「CX-60」や「CX-90」が伸長した他、「マツダ3」が同33.5%増と大幅増となった。輸出も欧州やオセアニア向けは低迷したものの、CX-90の好調により北米向けが倍増し、同14.37%増と2桁パーセント増を記録した。
海外生産は、前年同月比6.4%増の3万9733台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。このうち北米は、メキシコが「マツダ2」や「CX-3」の増加で同9.4%増と2カ月ぶりのプラスとなった他、「CX-50」の販売が堅調な米国は同44.6%増と伸長した。一方、タイはCX-3の減少で同36.1%減と3カ月連続のマイナス。中国も新型EV「EZ-6」の生産が開始されたが、マツダ3の減少により同9.3%減と7カ月連続で前年実績を下回った。
三菱自動車
厳しい状況が続いているのが三菱自だ。1月のグローバル生産台数は、前年同月比17.8%減の7万5004台と12カ月連続のマイナス。特に海外生産が低迷しており、同32.3%減の3万2449台と3カ月連続で減少した。主要地域である東南アジアは、最大拠点を構えるタイは同38.4%減と依然として厳しく、インドネシアも同22.6%減と振るわなかった。その結果、アジアトータルでは同32.6%減という状況だ。
国内生産は、前年同月比1.7%減の4万2555台と6カ月連続で減少した。「デリカD:5」は好調だったが、前年に投入した「デリカミニ」が一巡したことに加えて、日産向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給するEV「サクラ」や「ルークス」「デイズ」などが低迷した。輸出は北米や欧州向けが回復し、同50.0%増と2カ月ぶりのプラスだった。
スバル
SUBARU(スバル)の1月のグローバル生産は、前年同月比11.2%減の6万7226台と3カ月連続で減少した。国内生産が、同17.0%減の3万7391台と3カ月連続のマイナス。矢島工場(群馬県太田市)でEV生産に向けた工事を実施し、ラインを一時停止したことが響いた。これに伴い輸出も同8.5%減と5カ月連続のマイナスだった。唯一の海外生産拠点である米国生産も、同2.8%減の2万9835台と3カ月連続で減少した。
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