出光興産と三菱電機がバイオプラの家電製品への活用に向け連携:脱炭素
出光興産と三菱電機は、家電市場におけるバイオマス製品の普及を目指し、バイオマスプラスチックの家電製品への使用に向けた連携を開始する。
出光興産と三菱電機は2025年2月21日、家電市場におけるバイオマス製品の普及を目指し、バイオマスプラスチックの家電製品への使用に向けた連携を開始することに合意したと発表した。
今回の取り組みでは、出光興産がマスバランス方式でバイオマス化学品を製造し、それらを原料としたバイオマスプラスチックを三菱電機の家電製品(空調機器、冷蔵庫)に使用することを目指す。
マスバランス方式とは、原材料から製品への加工/流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法だ。複数の生産工程を経て製品化を行う化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段として、マスバランス方式が有効とされている。
バイオマスプラスチックの特徴
バイオマス化学品を原料としたバイオマスプラスチックは、植物や廃食油などから製造されるため、石油由来のプラスチックと比べ、ライフサイクル全体を通じてCO2排出量を抑えられる。
さらに、石油由来プラスチックと同等の品質であるため、マテリアルリサイクルを阻害することなく家電製品の材料に使える。
マテリアルリサイクルとは、使用済みの製品や廃棄物から回収した原材料を選別/加工して再利用する手法だ。三菱電機は、使用済みの家電製品から回収したプラスチックの比重や摩擦帯電特性などの物理的性質の違いを利用してプラスチックを選別回収する技術を保有している。
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