検索
特集

経産省が描く経営課題/業務変革課題を起点とした全体最適の製造DXMONOist DX Forum 2024(2/2 ページ)

アイティメディアにおける産業向けメディアのMONOist、EE Times Japan、EDN Japanは、オンラインセミナー「MONOist DX Forum 2024-製造業の革新に迫る3日間-」を開催した。本稿ではその中から、「SMDG:スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインとは」と題した講演の一部を紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

重要なのは経営者のリーダーシップ、部門超えた議論

 スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインの具体的な内容について、毛利氏が「全体最適視点と自社流のスマート化を実現しよう」というテーマで紹介した。

 今回のガイドラインは、開発設計、生産管理、製造、販売、サービスといった広い意味でのモノづくり全体プロセスを、デジタル化技術を用いて最適化する手法を整備したものだ。

 製造事業者が自社流のスマート化の姿を描くためのレファレンスを複数提供し、自社の経営業務課題の整備から、課題解決のためのソリューション(システム)へと導くための思考プロセスを補助するものとなっている。

 この過程を通じて、会社の中でのモノづくりのプロセスを俯瞰して、全体最適への飛躍を生み出す、業務改革ソリューションの企画立案ができる。「これから先、自社がどういうことに重点を置きながら、どのような姿を目指してシステム導入までつなげていけばよいか、そのための企画書、ロードマップがつくれるようなガイドラインとなっている」(毛利氏)。

日本能率協会コンサルティングの毛利大氏
日本能率協会コンサルティングの毛利大氏

 読者は、スマート化やDXにより自社のモノづくりプロセスに大きな変革をもたらしたいと考えている企業経営者層、プロジェクトをけん引しもう一段階企業を高めたいという課題認識を持つマネジャー層、推進担当者、次世代を担う実務者などを想定し、全体最適への飛躍を生み出す取り組みの参考にしてもらうことにしている。

 この取り組みのポイントとして毛利氏は「経営者のリーダーシップが最も重要だ。さらに部門を超えた検討の枠組みが必要となることから、経営者のリーダーシップの下にみんなが議論できる環境を社内に設けることも大切になる」と指摘する。

 策定に当たっては「個別最適ではなく全体最適を思考する」「経営、業務の変革課題を起点にしながらDXの姿を描く」「大企業の先進的な取り組みだけでなく、中堅、中小企業も置き去りにしない」「製造事業者が主体的にソリューションを企画してベンダーと話ができるようになること」の4つを重要視した。

 このうち「個別最適ではなく全体最適を思考すること」については、「サービスチェーン」「エンジニアリングチェーン」「サプライチェーン」「プロダクションチェーン」を対象に情報連鎖、付加価値の連鎖などをシームレスに思考することを具現化している。

 サービスチェーンとは、納めた製品を起点にしながらアフターサービスを行ったり、そこからさまざまな情報を吸い上げて新製品開発につなげたり、ユーザーと話をしながら次の商談に結び付けていくなどの業務連鎖を指す。

 エンジニアリングチェーンは技術情報を訴求する業務連鎖で、サプライチェーンはモノを中心とした業務連鎖、プロダクションチェーンは原材料を加工し製品に仕上げる工程連鎖だ。

⇒その他の「スマートファクトリー」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る