連載
ラグランジュの方程式(その2)〜ラグランジュの方程式の導出手順と適用例〜:1Dモデリングの勘所(40)(5/5 ページ)
「1Dモデリング」に関する連載。連載第40回では「ラグランジュの方程式(その2)」と題し、ラグランジュの方程式の導出手順とその結果を具体事例に適用して効果を確認する。さらに、ラグランジュの方程式を粘性減衰がある場合に拡張し、実際の問題に適用してみる。
減衰がある場合のラグランジュの方程式の適用例
減衰がある場合のラグランジュの方程式の適用例として、図4に示す3自由度系を考える。このとき、マス(質点)は摩擦なく動くものとする。
図4の運動エネルギー、弾性エネルギー、散逸関数は、
となる。これから、
となるので、運動方程式は下記となる。
次回から数回にわたって1Dモデリングの目的、その実現のための基礎や本質について、いま一度原点に立ち返って考えてみたい。 (次回へ続く)
筆者プロフィール:
大富浩一(https://1dcae.jp/profile/)
日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。
- 最新著書:1Dモデリングの方法と事例(日本機械学会)
- 研究会HP:https://1dcae.jp/
- 代表者アドレス:ohtomi@1dcae.jp
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