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日清製粉ウェルナ、AIを活用した需給管理自動化システムを共同開発:製造IT導入事例
日清製粉ウェルナは、グリッドと共同で、AIを活用した「冷凍食品の需給管理自動化システム」を開発した。需給計画や転送計画の自動策定が可能になったことで、計画策定作業を従来の3日程度から1日程度に短縮した。
日清製粉ウェルナは2025年2月4日、グリッドと共同で、AI(人工知能)を活用した「冷凍食品の需給管理自動化システム」を開発したと発表した。2024年10月より運用を開始している。
日清製粉グループで食品事業を担う日清製粉ウェルナでは、さまざまな情報を元にして冷凍食品を生産し、各地の倉庫から店舗に納品している。その際、需要や各倉庫の在庫状況に応じて倉庫から倉庫へ製品を転送することもあるが、需給管理や配送などの各計画立案は専門の担当者が担っていた。
同システムは、これまで担当者が実施していた作業工程をAIシステムに落とし込んで開発。過去の出荷や受注実績から月次の販売数量の着地見込表を作成し、この表と現在の在庫数、工場の稼働予定に従った需給計画を決定。その後、各倉庫への配車計画や倉庫間の在庫移動数を決める転送計画を策定する。在庫状況に応じて必要な配車台数が随時更新され、製品の種類や転送数、転送先なども自動算出する。
計画予測の組み合わせは1800パターンほど存在し、従来は計画策定作業に3日程度要していた。自動策定が可能になったことで、作業時間を1日程度に短縮した。
立案された計画は、使い慣れた形式で出力できる。また、意図的に人間の介在余地を残しており、状況変化に応じて担当者が書き換えることも可能。イレギュラーな事象にも、柔軟に対応できる。
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