AIやデジタルモノづくりの実践活用に向けた次世代人材育成センター開設:メカ設計ニュース
オートデスクと片柳学園は2024年春に締結した覚書(MOU)に基づき、日本工学院八王子専門学校内に「オートデスクイノベーションセンター」を開設した。最新の設計手法とAI教育を連携/推進する施設として位置付けられ、次世代のモノづくり人材の育成に向けた理想的な環境を提供する。
Autodesk(オートデスク)と片柳学園は2025年2月14日、同月5日に「オートデスクイノベーションセンター」を日本工学院八王子専門学校内に開設したことを発表した。
オートデスクイノベーションセンターは、最新の設計手法とAI(人工知能)教育を連携/推進する施設として位置付けられており、設計/製造分野の未来を担う次世代モノづくり人材の育成に向けた理想的な環境を提供する。
次世代モノづくり人材の育成に向けた理想的な環境を提供
今回の取り組みは、両者が2024年春に締結した「国内教育機関として初」(ニュースリリース)となる戦略的連携に関する覚書(MOU)の内容に基づくもので、設計、エンジニアリング、製造、ジェネレーティブデザイン(AIによる自動形状生成技術)といったモノづくりに関わる専門的な教育内容を提供し、最先端の技術とアイデアを共有/開発する場として機能することを目指す。
同時に、将来求められるデジタル製造プロセスの重要性を考慮し、デジタル加工機や3Dプリンタなどの設備も活用。これらを用いたデジタルモノづくりの実践、AI活用や設計/解析のデジタル化および自動化など、未来志向のプロジェクトに取り組むためのスキルの習得を支援する。
その他、学生たちに向けて、3D CAD/CAM/CAE/PCBを統合した「Autodesk Fusion」(以下、Fusion)のトレーニングプログラムや実証プロジェクトなどを提供し、設計、材料研究、機械加工、製造といったワークフローの習得に向けたサポートも実施する。
オートデスクと片柳学園はMOUの内容に基づき、教育ライセンスの導入支援、教員向けのFusionトレーニングの提供、カリキュラムの共同開発、ジェネレーティブデザインを活用した学生プロジェクトの支援などを段階的に展開。片柳学園では、6カレッジに99の専門分野を設置しており、オートデスクイノベーションセンターの開設を通じ、テクノロジーカレッジのロボット科や機械設計科を中心に、次世代のモノづくりを担う人材育成の理想的な環境づくりを推進していくという。
多岐にわたる分野で協力関係を構築
これまで両者は、建築分野におけるBIM人材育成での協業を皮切りに、機械設計やロボット分野向けにFusionを使用した授業やカリキュラムの開発を行ったり、オートデスクが主催する学生コンテストで継続的に入賞者を輩出したりするなど、多岐にわたる分野で協力関係を築いてきた。
今回の取り組みのベースとなる戦略的連携に関するMOUの概要と対象校は以下の通りだ。
- 内容:
- 最新の設計/製造技術に関する授業やカリキュラム開発の支援
- 教員向けのFusionトレーニングの提供
- イノベーションセンターの設立に向けた取り組み
- 学生プロジェクトの支援
- オートデスク製品の教育機関限定無償ライセンス提供
- その他本目的を達成するために必要な協力
- 対象校:
- 東京工科大学
- 東京工科大学大学院
- 日本工学院専門学校
- 日本工学院八王子専門学校
- 日本工学院北海道専門学校
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