東レは2025年1月23日、中国華南地区において、高機能樹脂コンパウンドの生産拠点を新設すると発表した。広東省の現地生産子会社にコンパウンド設備を導入する。
中国は、年率約5%の成長が見込まれる有望な市場で、特に自動車は世界最大の市場となる。政府による積極的なNEV(環境対応車)向けの支援も進められ、自動車用途を中心に高機能樹脂の需要拡大も予想されている。
同社はこうしたニーズに対応するため、生産拠点を新設して高機能樹脂の安定供給力を強化。広東省の現地生産子会社である東麗樹脂科技(佛山)に自動車の電装部品や電気、電子用コネクターなどに用いる高機能樹脂コンパウンドの生産設備を導入し、2025年4月の稼働を目指す。これらの新設に伴い、既存の樹脂コンパウンド拠点である東麗塑料(深圳)からの一部生産移管も予定している。
同社は今後、NEV用途を軸とし、先端通信を含む電気、電子用途やソーラー発電用途など、中国華南地区での高機能樹脂の需要拡大に対応し、中国でのさらなる事業拡大を図るとしている。
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