チェコ鉄道の電化の強化に向けて新たな提携を締結:鉄道技術
ABBとシュコダグループは、チェコ鉄道の電化を強化することを目的に両社にとって初の提携を締結した。シュコダグループがチェコ鉄道から新型バッテリー式電車を受注しABBはトラクションバッテリーを供給する。
ABBとシュコダグループは2025年1月27日、チェコ鉄道の電化を強化することを目的に提携を締結したと発表した。シュコダグループがチェコ鉄道から新型バッテリー式電車を受注し、ABBはトラクションバッテリーを供給する。
同提携は、ABBが小型軽量で車両性能の最適化を可能とし、メンテナンスとダウンタイムを大きく効率化する設計のトラクションバッテリー「Pro Series」を供給することからスタートする。同製品は、チェコ国鉄のチェコ鉄道が発注したシュコダグループの新型バッテリー式電車(BEMU: battery-electric multiple units)に搭載される計画となっている。これは、チェコ鉄道がサステナブルな事業運営を加速する上で大きな前進であり、鉄道輸送における二酸化炭素排出を削減するための迅速かつ実践的な解決策であるとしている。受注額は、2000万米ドル未満となる。
今回の契約では、15両のBEMU用Pro 8C-850バッテリーパック195個の納入および15年間の包括的なサービス契約も対象になっている。これは、チェコのエンジニアリング企業で鉄道車両製造を専門とするシュコダグループがABBのトラクションテクノロジーを発注した最初の事例であり、InnoTrans(独ベルリン)において2024年9月に発表されたABBの新型トラクションバッテリー「Pro Series」の複数の重要な受注の1つだ。
特に部分的な電化鉄道網におけるBEMUアプリケーションに適合するように設計されたPro Seriesにより、鉄道は電化区間と非電化区間の両方の運行が可能となり、インフラの全面的な電化が不要で、柔軟性と環境面のメリットも獲得できる。
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