Cortex-M33ベースの産業機器向けMCUをPSOCブランドで発売:組み込み開発ニュース
Infineon Technologiesは、Arm Cortex-M33をベースとしたMCU「PSOC Control C3」を発表した。モーター制御や電力変換など産業機器向けに特化した同MCUにより、高性能で高効率なシステムを容易に構築できるようになる。
Infineon Technologiesは2025年1月21日、Arm Cortex-M33をベースとしたMCU「PSOC Control C3」を発表した。既にエントリーラインとメインラインを合わせた34製品を供給中だ。
PSOC Control C3と「ModusToolbox」の設計ツールを連携することで、開発者は高性能で高効率なモーター制御および電力変換システムを容易に構築できるようになる。モーター制御用(C3M)、電力変換用(C3P)のそれぞれに特化したMCUは、家電製品や産業用ドライブ、ロボット、小型電気自動車、太陽光発電、HVACシステムなどのニーズに対応する。
PSOC Control C3は最大180MHzで動作し、DSP(デジタル信号プロセッサ)、FPU(浮動小数点ユニット)、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータ)を搭載する。他にも多様な周辺機能やオンチップメモリ、各種インタフェース、PWM(パルス幅変調)アーキテクチャを備える。また、PSA Certified レベル2/EPC2セキュリティ、クラスBおよびSIL 2安全ライブラリなどの堅牢な安全機能を搭載する。
エントリーラインの「C3P2」「C3M2」は、高分解能かつ高精度のA-Dコンバーターとタイマーを使用し、メインラインの「C3P5」「C3M5」は、HRPWM(高分解能PWM)を使用することで、低遅延でリアルタイムに応答するシステムを構築できる。
PSOC Controlは、ModusToolboxのMotor SuiteおよびPower Suiteが提供するグラフィカルなインタフェースやリアルタイムのパラメーター監視機能により、設計の効率化と最適化を支援する。
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