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35mmフルサイズで4.1億画素のCMOSセンサーを開発:組み込み開発ニュース
キヤノンは、35mmフルサイズ4.1億画素のCMOSセンサーを開発した。超多画素でありながら撮影装置の小型化に寄与し、1秒間に32億8000万画素の超高速な信号読み出しができる。
キヤノンは2025年1月22日、35mmフルサイズ4.1億画素のCMOSセンサーを開発したと発表した。同社調べによると、同サイズにおいて世界最高画素数のCMOSセンサーとなる。
4.1億画素(2万4592×1万6704画素)は、フルHDの198倍、8Kの12倍で24Kに相当。広視野で撮影して任意の領域を拡大しても、解像感を損なうことなく高画質な映像を取得できる。超多画素でありながら35mmフルサイズセンサー用レンズと組み合わせて使用できるため、撮影装置の小型化に寄与する。
画素部分と信号処理部分を重ね合わせた裏面照射積層構造を採用し、回路構成も見直すことで、1秒間に32億8000万画素の超高速な信号読み出しを可能にした。毎秒8コマの動画撮影ができる。
また、隣り合う4画素を仮想的に1画素として扱う「4画素加算機能」も搭載。同機能により、感度を向上させてより明るい画像を取得でき、1億画素で毎秒24コマの滑らかな動画を撮影できる。
超高解像が求められる監視用途や医療用途、産業用途などの分野での活用を見込んでいる。
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