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全固体電池を採用した調理用無線温度デバイス、吉野家で実証実験:組み込み採用事例
マクセルが量産するセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」が、コー・ワークスと吉野家が共同開発した調理用無線温度デバイス「NICK」に搭載された。
マクセルは2025年1月16日、同社が量産するセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」が、コー・ワークスと吉野家が共同開発した調理用無線温度デバイス「NICK」に搭載されたと発表した。
NICKは、温度センサー、通信モジュール、全固体電池、受電用コイルを搭載し、最大100℃までの範囲で調理鍋内の食材温度を計測、通信する。食品調理のデータを見える化することで味の均一化を目指して設計しており、吉野家の一部店舗で実証実験を開始した。
高耐熱で繰り返し充放電可能なマクセルの全固体電池PSB401010Hの採用により、動作温度範囲が拡大し、100℃という高温環境下でも安定した性能を発揮する。温度計測センサーとデバイス本体を一体化したことで設置が容易になり、飲食店における利便性が向上した。
従来の通信機能付き可搬型温度センサーデバイスの多くは、100℃近い高温領域を測定するため温度計測センサーと本体を分離した設計のものが大半で、設置場所が限られていた。特に電池は高温環境で化学反応を起こし劣化する恐れがあり、デバイス本体部分を高温でない場所に設置する必要があった。マクセルの全固体電池の採用によってこれらの課題が解決し、今回の実証実験に至った。
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