グリーン鉄の市場拡大に重要な取り組みとは
取りまとめの結果、グリーントランスフォーメーション(GX)の価値訴求や国際標準への反映、鋼材のカーボンフットプリントの活用拡大、需要側と供給側への支援が重要な取り組みとして挙がった。
GX価値の訴求に関しては、国内外の理解促進や、業界団体のworldsteelや国際イニシアチブとの連携に取り組む。グリーン鉄が国際的に製品のカーボンフットプリントが低いと評価される手法について、国内外の議論を促進していく。自動車をはじめとする輸出産業では、日本のグリーン鉄がカーボンフットプリントが低いと国際的にも評価されることが重要になるためだ。
また、鉄鋼製品に関わるカーボンフットプリントの製品別算定ルールの策定や国のガイドラインヘの反映にも取り組む。建築物のライフサイクルアセスメントなど国の施策への採用も検討する。カーボンフットプリント削減を需要家における価値として活用することを促進し、低環境負荷鋼材の利用拡大も目指す。さらに、鋼材のカーボンフットプリントデータの整備や開示も進める。鋼材の非化石証書利用の考え方も整理する。
需要側には、グリーン鉄の生産初期段階における政府による優先的調達/購入などを通じて重点的に支援することを求める。また、CEV補助金で自動車メーカーへのインセンティブ付与も求めていく。供給側には、技術開発や設備投資に対する支援や税制措置などの支援が必要だとしている。また、関係する事業者の連携を通じて鉄スクラップの有効活用を促進していく。
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