STマイクロとクアルコム初の協業製品、IoT機器の設計を簡略化する無線モジュール:組み込み開発ニュース
STマイクロエレクトロニクスは、Qualcomm Technologiesとの協業による初製品として「STM32」対応ワイヤレスIoTモジュール「ST67W611M」を発表した。無線通信に対応し、産業用および民生用IoT機器向けアプリケーション設計を簡略化する。
STマイクロエレクトロニクスは2024年12月11日、Qualcomm Technologies(クアルコム)との協業による初製品として「STM32」対応ワイヤレスIoT(モノのインターネット)モジュール「ST67W611M」を発表した。既にサンプルを出荷中で、2025年1〜3月期に機器メーカーへ提供し、同年4〜6月期には一般提供を開始する。
ST67W611Mは、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3、Threadといった無線通信に対応し、産業用および民生用IoT機器向けアプリケーション設計を簡略化する。「Qualcomm QCC743」を搭載しており、STM32マイコンやMPU(マイクロプロセッサ)と容易に統合できるほか、Wi-Fi経由のMatterプロトコルをサポートする。
コードおよびデータ格納用の4MBのフラッシュメモリと40MHzの水晶振動子、PCBアンテナ、外部アンテナ用マイクロRFコネクターを搭載する。セキュリティ機能として、ハードウェア暗号化アクセラレーターやセキュアブート、セキュアデバッグなどを備え、PSA Certifiedレベル1の保護を提供する。
32ピンの高集積LGAパッケージを採用し、低コストでシンプルな基板設計が可能だ。また、STM32開発エコシステムが提供する4000品種以上の製品、STM32Cubeツールやソフトウェア、エッジAI(人工知能)開発の支援機能が利用できる。
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