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誰も教えてくれない設計NGあるある【光電センサー編/前編】設備設計現場のあるあるトラブルとその解決策(9)(3/3 ページ)

連載「設備設計現場のあるあるトラブルとその解決策」では、設備設計の現場でよくあるトラブル事例などを紹介し、その解決アプローチを解説する。連載第9回は、「誰も教えてくれない設計NGあるある【光電センサー編】」をお届けする。

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光電センサーを隣同士に並べて配置したい場合の3つの対策

 ただ、もしこのように光電センサーを並べたい場合には、いくつかの対策があります。ここでは、代表的な3つの対策を取り上げます。

 1つ目の対策は「光電センサー同士の距離を離して配置する」です。光電センサー同士の距離が離れてさえいれば、仮に広い指向性があったとしても、その悪影響を受けるリスクを下げることができます(図4)。

対策(1):光電センサー同士の距離を離して配置する
図4 対策(1):光電センサー同士の距離を離して配置する[クリックで拡大]

 2つ目の対策は「隣同士に光電センサーを並べる際は、片方の光電センサーの投光部/受光部の配置を入れ替える」です。センサーの配置を互い違いにすれば、各受光部が他の投光部からの影響を受けるリスクを低減させることができます。センサーの配置変更が難しい場合に採用するとよいでしょう(図5)。

対策(2):片方の光電センサーの投光部/受光部の配置を入れ替える
図5 対策(2):片方の光電センサーの投光部/受光部の配置を入れ替える[クリックで拡大]

 3つ目の対策は「≪受光部にカバー/シェードを付ける」です。例えば、円筒状のカバー/シェードを下図のように各受光部の前に取り付けることで、受光する光の範囲を限定でき、誤検知のリスクを減らせます(図6)。

対策(3):受光部にカバー/シェードを付ける
図6 対策(3):受光部にカバー/シェードを付ける[クリックで拡大]

 また、カバー/シェードは、粉じんが舞うような環境において、粉じんがセンサーの受光面に付着する悪影響を防ぐ効果も発揮します。ただし、カバーやシェードを取り付けることは、本来想定している投光部からの光の受け入れもシビアになるため、光軸調整の難易度が上がってしまうというデメリットもあります。そのため、他の対策の採用が難しいと判断した場合に、こちらの方法を検討するのがよいでしょう。

 ちなみに、「そもそも光電センサーを2つ並べて配置することなんてあるのか?」と疑問に思う方もいると思いますが、

  • 冗長化を要求する場合
    機械の運転をなるべく止めないように、片方のセンサーが故障しても、もう一方のセンサーが正常であることによって機械が稼働できること
  • 誤検知を防止する場合
    センサーへのノイズや粉じんの多い環境において、誤った検知や動作を防ぐために「複数のセンサーが同時にOFFしないと次の動作フローに進まない」というシステムを作る
  • 単純に限られた範囲で複数の検出をしたい場合

などにおいて導入される印象です。 (次回へ続く)

⇒連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール:

りびぃ

りびぃ
ものづくりのススメ」サイト運営者

2015年、大手設備メーカーの機械設計職に従事。2020年にベンチャーの設備メーカーで機械設計職に従事するとともに、同年から副業として機械設計のための学習ブログ「ものづくりのススメ」の運営をスタートさせる。2022年から機械設計会社で設計職を担当している。

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