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カルビーの“じゃがいもを使いつくす”新工場が稼働へ、自動化も加速工場ニュース

カルビーは新たに建設した「せとうち広島工場」が2025年1月13日から操業開始すると発表した。

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 カルビーは2025年1月6日、新たに建設した「せとうち広島工場」(広島市佐伯区)を同月13日から操業開始すると発表した。

せとうち広島工場の外観
せとうち広島工場の外観[クリックで拡大]出所:カルビー

 同社が国内に工場を新設するのは約19年ぶりとなる。新工場には、約10万m2の敷地面積に生産棟と原料棟が建つ。主な製造商品はポテトチップスや堅あげポテト、Jagabee、サッポロポテトとなっている。

 「人と地球の笑顔をつくりだす、未来を形にする工場」をコンセプトとしており、再生可能エネルギーや循環型エネルギーシステムの導入により、廃熱や排水、廃棄物を有効活用し、環境負荷を低減。温室効果ガス総排出量50%減、廃棄物排出量50%減、水の総使用量30%減(広島西工場2019年3月期実績との比較)の達成を目指す。

環境エリア(メタン発酵槽・脱硫装置・ガスホルダー)
環境エリア(メタン発酵槽・脱硫装置・ガスホルダー)[クリックで拡大]出所:カルビー

 具体的には工場で使用するじゃがいもを余すことなくエネルギーなどに転換し、省エネルギー、脱炭素化、廃棄物削減につなげる。じゃがいもの残渣をメタン発酵し、得られたバイオガスで蒸気を生成する。また、じゃがいもを揚げた際に発生する廃蒸気を水と熱に分解して回収。水はじゃがいも洗浄に利用し、熱は温水の生成に再利用する。将来的には、半製品ロス(焦げ、割れ)をバイオマス燃料として活用し、CO2フリーの蒸気の供給などを行う。

じゃがいもを使い尽くすエネルギーシステムのイメージ
じゃがいもを使い尽くすエネルギーシステムのイメージ[クリックで拡大]出所:カルビー

 また、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの先端技術を活用し、生産ラインの自動化、省力化を進める。IoT(モノのインターネット)技術を活用した次世代工場モデルを応用展開し、より高度な品質管理や高効率な多品種少量生産、将来的には生産ラインの遠隔監視などによるリモートワークの導入を進める。これら諸施策の導入により、労働生産性(従業員1人当たり)の約6割向上を図る。

 IoT技術については、湖南工場(滋賀県湖南市)で実装しているものを活用して次世代工場モデルとして応用展開している。じゃがいも前処理(検査、トリミングなど)の自動化や製品、原材料、包装資材の自動搬送、製造ラインの遠隔監視、外部接続などを進めることで食品業界トップレベルの自動化の自動化を行い、従来の働き方からの転換を図る。

ロボットによる製品の自動搬送
ロボットによる製品の自動搬送[クリックで拡大]出所:カルビー
 原材料や包装資材はAGV(無人搬送車)が自動搬送
原材料や包装資材はAGV(無人搬送車)が自動搬送[クリックで拡大]出所:カルビー

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