建築内装空間や家具などの制作/施工を支援するプラットフォームの提供を開始:メカ設計ニュース
VUILDは、建築や設計に携わる個人や企業向けのプラットフォーム「EMARF」の提供を開始した。入稿されたデータから正確に加工してパーツを現場へ納品し、設計、制作、施工までをまとめてサポートする。
VUILDは2024年12月10日、建築や設計に携わる個人や企業向けに、建築内装空間や家具などの制作、施工をサポートするプラットフォーム「EMARF」の提供を開始した。
同社は、ShopBot Toolsの3軸CNCルーター「ShopBot」の輸入販売、サポートをしており、全国に導入されているShopBotの製造ネットワークを活用して、同プラットフォームを展開する。
EMARFに入稿されたデータを瞬時に加工データに変換し、正確に加工してパーツを現場へ納品するという従来のサービスに加え、新たに、仕上げ加工、組み立て制作、現場施工までをまとめてサポートする機能を提供する。
サービスは2種類で、家具などの制作に特化し、全工程をオンラインで進められる「自分でつくる」デジタルツールと、複雑で大規模な空間デザインに関して「制作、施工を依頼する」方法がある。
自分でつくるデジタルツールは、設計したデザインデータをEMARFのWebサイトに入稿すると、EMARFが連携しているShopBot拠点でデータ通りに加工し、指定場所に納品する。
また、新開発の「EMARF CAD」を利用すれば、1つのボタンで相欠き(あいがき)、ほぞ組みなど設計に時間のかかる接合部を容易に生成できる。自動生成された接合部は、寸法やオフセットを後から手軽に変更可能で、インポートしたデータはEMARFでも編集できる。
データはDXF形式に対応しており、使い慣れた設計ツールのデータを読み込んで、制作可能なデータに変換できる。近日中にSTEPファイルにも対応予定だ。
Nodeを用いて寸法調整できる家具などを設計したり、試作に活用したりできる他、構造解析サポートへの対応も予定している。また、設計データは、EMARF上ですぐに積算され、予算に合わせて仕様を検討できる。
制作、施工の依頼は、法人問い合わせ窓口を通じてパース図やラフイメージを送り、相談するだけで、概算見積を迅速に算出。設計から施工までをトータルでサポートする。今後、再生プラスチックや金属など、木材以外の素材を使用した制作にも対応する。
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