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スズキがもみ殻をバイオマス燃料に、焼却で発生するシリカとカーボンも有効活用:脱炭素
ジカンテクノとスズキはサーキュラーエコノミーシステムの実現に向けた共同開発契約を締結したと発表した。
ジカンテクノとスズキは2024年12月20日、同年11月にサーキュラーエコノミーシステムの実現に向けた共同開発契約を締結したと発表した。
両社は共同開発契約に基づき、ジカンテクノが提携する農業プラントにおいて、もみ殻を焼却することで得られるバイオマス由来エネルギーの利用によるGHG(温室効果ガス)削減効果などを検証する。併せて、もみ殻の焼却時に発生するシリカおよびカーボンの活用方法も検討する。
もみ殻は、家畜の糞尿処理や土壌改良剤として使用されているもの、これら以外には活用用途が限られており処分にコストがかかっている。農業残渣であるもみ殻を燃料として用いることで、GHG削減効果に加えて、農家の負担軽減と焼却時に発生するシリカなどの有効活用が期待できる。
もみ殻を燃料にするだけでなく、焼却時に発生するシリカやカーボンをバイオマス由来材料として活用することで、サーキュラーエコノミーシステムとしての有効性検証も行う。さらに、将来的な技術の適用拡大の可能性も視野に入れている。
ジカンテクノは2016年創業のスタートアップで、農業残渣を原料にした工業用素材の開発に取り組んでいる。特にもみ殻は、原料の調達から加工まで全て国内で完結させられるためサプライチェーンの観点でも有利とする。植物性廃棄物を原料とした高純度のバイオマスカーボンやバイオマスグラフェン、ボタニカルシリカ(植物性シリカ)の開発にも成功している。
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