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半導体精密洗浄事業でパーツ洗浄の需要拡大に対応、工場の新設や増強を決定:工場ニュース
三菱ケミカルグループの新菱は、半導体精密洗浄事業で福島工場を新設し、岩手工場を増強する。近年、半導体市場の拡大によりパーツ洗浄の需要も拡大しているため、今回の能力拡大を決定した。
三菱ケミカルグループは2024年11月11日、同社グループの新菱が半導体精密洗浄事業において福島工場(福島県郡山市)を新設し、岩手工場(岩手県一関市)を増強すると発表した。両工場とも2026年10月の稼働を予定している。
半導体精密洗浄事業では、半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカー向けに、パーツ洗浄サービスを提供している。近年、半導体市場の拡大でパーツ洗浄の需要も拡大しており、今回の能力拡大を決定した。
三菱ケミカルグループの精密洗浄技術は、パーティクル(ちり、ほこり)や金属不純物などナノ単位の汚れをきめ細かく除去。必要に応じてパーツ表面も改質する。これにより半導体製造の歩留りを向上させ、廃棄パーツ削減や環境負荷低減に寄与する。使用済みパーツだけでなく新品パーツも洗浄することで、半導体製造装置の初期稼働不良の低減にも貢献する。
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