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Osaka Metro新型車両400系の魅力と大阪発展のカギを握る中央線への期待鉄道大研究(1)(3/5 ページ)

大阪市交通局の民営化後、「Osaka Metro」の愛称を持つ大阪市高速電気軌道が初めて手掛けた新型車両の400系が2024年鉄道友の会ローレル賞に輝いた。宇宙船をイメージした斬新な前面デザインをはじめ、新機軸を満載した車両である。その魅力やこれからの中央線を探ってみた。

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エクステリアの側面はタテのラインを入れる

 Osaka Metroの車両は1975年以降、側面にラインカラーの帯を巻き、70系以降はアクセントカラーも追加され、彩を添えた。

400系のタテラインは乗車口を表す
400系のタテラインは乗車口を表す[クリックで拡大]

 今や都市圏を中心にホームドアの設置が進み、ラインカラーの帯が見づらくなった。400系では乗降用ドアの周囲にタテのラインを入れている。ラインカラーのスペクトリウムグリーンを基本に、優先座席(関東でいう優先席)やフリースペースはブルー、固定式クロスシートはグレーを用いて、車内設備を分かりやすくした。

ロングシートはハイバックシート

 座席はロングシートを基本としており、30000系と同じ着座幅470mmを確保している。400系は背もたれを50mm高くしたハイバックシートで、一般席は濃淡のグリーン、優先座席は濃淡のブルーを使い分けることで着席区分にした他、楽しい雰囲気を創出した。

400系の優先座席
400系の優先座席[クリックで拡大]

 その分、側窓が小さくなり、営団地下鉄(現・東京メトロ)6000系、7000系の初期車を彷彿(ほうふつ)させる。

固定式クロスシート

 400系の目玉は4号車の固定式クロスシートだろう。1人掛け、向き固定、荷棚なしという制約がありつつ、乗降用ドア間に3列配置した。シートピッチは890mm(内訳は座席の奥行575mm、座席同士の間隔315mm)を確保。一般的なクロスシートに比べると狭いものの、18m4ドア車ながら、東武鉄道50090系などの20m4ドア車と同じ計9列配置できた。Osaka Metroによると、廃車部品を使って位置関係を確認したという。

400系4号車の車内
400系4号車の車内[クリックで拡大]

 シートモケットはグレーで、着座幅はロングシートと同じ470mm。側窓が小さいものの、2列目と3列目はそれなりの眺望が楽しめる。

固定式クロスシートの蹴込みは袖仕切り付近に設置
固定式クロスシートの蹴込みは袖仕切り付近に設置[クリックで拡大]

 参考までに、東武鉄道50090系は回転式クロスシート(座席下のペダルを踏めば回転する)とロングシートの両方を設定できる車両で、回転式クロスシート設定時のシートピッチは1000mm(一部760mm)である。

LCDは2画面式で21.5インチ

 旅客情報案内装置はLCD(液晶ディスプレイ)2画面式で21.5インチの大きさを誇る。片方は旅客情報に特化し、左側に次の停車駅、右側に乗り換えや出口の案内を表示。もう片方は関東の通勤形電車と同様、左側に広告、右側に停車駅、乗り換えや出口の案内をまとめて行う。これを千鳥式に配置している。

 400系は中吊り広告を廃止し、すっきりした車内となったが、どの鉄道事業者も広告収入は鉄道の運営に欠かせない存在だ。Osaka Metroは広告特化型のLCDを設定することで、広告収入を確保している。

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