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コバルト触媒を用いて、多様な低分子骨格の構築に有効な合成手法を開発:研究開発の最前線
武蔵野大学は、コバルト触媒を用いた金属水素原子移動とラジカルポーラークロスオーバーを組み合わせ、多様な低分子骨格の構築に成功した。医薬品や機能性材料の開発への応用が注目される。
武蔵野大学は2024年10月21日、コバルト触媒を用いた金属水素原子移動(metal-catalyzed hydrogen atom transfer:MHAT)とラジカルポーラークロスオーバー(RPC)を組み合わせ、多様な低分子骨格の構築に成功したと発表した。従来の「1結合形成による環化(cyclization)」に加え、「2結合形成による環化(annulation)」への展開が見出され、複素環合成の適用範囲を拡大した。
北海道大学と共同で実施した今回の研究では、医薬品などに含まれる複素環という骨格の合成に取り組んだ。アセトンやアセトニトリルなどの一般的な反応溶媒を用いたところ、独特な環構造の分子を形成するパーツとして機能し、多様な分子構造の化合物を生成できることを確認した。
また、反応のメカニズムを、量子化学計算の1種となる人工力誘起反応法(AFIR法)で検証。反応の途中で形成される「カチオン性アルキルコバルト錯体」という中間体が、生成物の選択性に及ぼす影響を解明した。
高度な分子構造の生成物を効率的に合成できる手法を確立したことで、医薬品や機能性材料の開発への応用が注目される。
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