ニュース
職場での心身ストレス反応が高い人ほど体重増加のリスクが高い:医療技術ニュース
大阪大学は、職場での心身のストレス反応が高い人ほど、体重増加のリスクが高いことを明らかにした。ストレス反応が高い人は、体重が10%以上増加するリスクがストレス反応の低い人の1.4倍だった。
大阪大学は2024年10月18日、職場のストレス反応が体重増加のリスクと関係することを発表した。1万人を超える大規模集団を最大7年にわたり追跡調査し、職場での心身のストレス反応が高い人ほど、体重増加のリスクが高いことを明らかにした。
調査は、2016〜2021年度にストレスチェックと職員健診を受診した同大学の教職員1万36人を対象に実施した。年齢層は19〜65歳で、2022年度まで追跡してデータを解析した。
ストレスチェックには、仕事のストレス要因(A項目)、心身のストレス反応(B項目)、周囲のサポート(C項目)の3領域を用意。そのうち、10%以上の体重増加のリスクは、不安や憂鬱(ゆううつ)といった心身のストレス反応が高い人だった。
さらに、心身のストレス反応の点数別に4グループに分類して、体重が10%以上増加するリスクを比較したところ、点数が高い上位75〜100%群でリスクが高まることが判明。点数の高い上位90〜100%群のリスクは、0〜49%群の1.4倍だった。
この成果から、職場でのストレス対策が、労働者の肥満予防につながる可能性が示唆された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アミロイドβの悪玉化機構を解明、アルツハイマー病の新規創薬へ
理化学研究所らは、アルツハイマー病患者の脳内において、アミロイドβが、分解されにくい悪玉アミロイドβへと変化する仕組みを解明した。アルツハイマー病の予防や治療に関する新しい薬剤の開発が期待される。 - 最新のロングリード技術によりアセロラの全ゲノムを解析
かずさDNA研究所、ニチレイフーズ、鹿児島大学は、最新のDNA分析技術を活用してアセロラの全ゲノムを解読し、アセロラの60系統が3つのグループに分類できることを明らかにした。 - 無線LANアクセスポイント3製品と見守りセンサーとの接続検証を実施
アライドテレシスは、積水化学工業が提供する病院、介護施設向け見守りセンサー「ANSIEL」と、アライドテレシスの無線LANアクセスポイント3製品との接続検証を実施し、安定した接続と運用の実用性を確認した。 - アステラスのAI創薬は人とロボットとの連携で花開く、7カ月で新薬を創出
アステラス製薬 専務担当役員 研究担当 CScOの志鷹義嗣氏は、2019年から進めてきたAI創薬の取り組みについての合同取材に応じた。AI創薬の大きな成果として、STING阻害剤として有効な「ASP5502」を創出するとともに、その最適化研究の期間を従来比で3分の1以下となる7カ月で完了することに成功したという。 - サイバー攻撃に狙われる医療機関、統合型のセキュリティアプローチが特効薬に
医療機関に対するサイバー攻撃の脅威が増大する一方で、セキュリティ対策がなかなか進まない状況にある。格好の標的となっている医療機関をサイバー攻撃から守るにはどうすればいいのだろうか。 - 国内の医療情報システム市場に関する調査、クラウド型電子カルテが増加
矢野経済研究所は、国内の医療情報システム市場の調査結果を発表した。2023年度の医療情報システム市場規模は前年度比3.2%増の2974億円で、2024年度は同1.0%増の3002億円と予測している。