画像の高精細化や神経強調表示が可能な超音波診断装置2モデルを発売:医療機器ニュース
コニカミノルタは、超音波診断装置「SONIMAGE UX1」と同装置の整形外科用モデル「SONIMAGE UX1 TRiFOR」を発売する。深部画質が向上した新リニアプローブや、神経強調機能を追加している。
コニカミノルタは2024年10月21日、超音波診断装置「SONIMAGE(ソニマージュ) UX1」(UX1)と、同装置の整形外科用モデル「SONIMAGE UX1 TRiFOR(トライフォー)」(TRiFOR)を発表した。同年11月1日から販売を開始し、価格は両製品ともにコントロールパネルモデルが5150万円(税別)となっている。
UX1およびTRiFORは、2020年発売の医療向け超音波診断装置「SONIMAGE HS2」をベースとしたものだ。同社が新たに追加したリニアプローブ「X20L」と組み合わせることができる。
X20Lは、広い周波数帯域の送受信に対応可能で、超音波への感度を高めてノイズを抑える。また、波長受信部が非球面形状であるため、超音波ビームの幅を均一にして、深部画質や穿刺針の描出安定性を向上させた。UX1、TRiFORと同プローブを組み合わせて用いることで、超音波画像を高精細化できる。
UX1およびTRiFORは診療画像の共有も容易で、PCやタブレットを装置と同じネットワークに接続すれば検査画面を表示可能で、診察時に医師と患者が異なるディスプレイからそれぞれ検査画面を確認できる。通常のカート付きモデルに加えて、超音波エンジン(メインボックス)とLCDモニターが分離したデスクトップモデルも選択可能となっている。
さらに、神経を強調表示するオプション機能「VisNerve(ビスナーブ)」を追加した。同社独自のAI(人工知能)技術により、リニアプローブのX20Lや「L11-3」を介して神経組織の形状を自動で検出。神経の境界に合わせて色付けできるため、神経の位置を素早く把握できる。
サイズはメインボックスが227×149×476mm(転倒防止部品を除く)、デスクトップモニターが461×79×285mm。カートはコントロールパネルモデルが461×630×1075〜1375mm、フルタッチモデルが461×536×1075〜1375mmとなっている。重量は42kgだ(標準バッテリーを2個搭載したメインボックスとコントロールパネルモデルのカート、電源コードを含む)。
LCDモニターは18.5型。標準バッテリー2個搭載時で、約90分連続駆動できる(Bモード、Live100%時、デスクトップまたはカート構成時)。大容量バッテリーも併せて用いた場合は、約360分連続で駆動する(Bモード、Live100%時、カート構成時)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アミロイドβの悪玉化機構を解明、アルツハイマー病の新規創薬へ
理化学研究所らは、アルツハイマー病患者の脳内において、アミロイドβが、分解されにくい悪玉アミロイドβへと変化する仕組みを解明した。アルツハイマー病の予防や治療に関する新しい薬剤の開発が期待される。 - 最新のロングリード技術によりアセロラの全ゲノムを解析
かずさDNA研究所、ニチレイフーズ、鹿児島大学は、最新のDNA分析技術を活用してアセロラの全ゲノムを解読し、アセロラの60系統が3つのグループに分類できることを明らかにした。 - 無線LANアクセスポイント3製品と見守りセンサーとの接続検証を実施
アライドテレシスは、積水化学工業が提供する病院、介護施設向け見守りセンサー「ANSIEL」と、アライドテレシスの無線LANアクセスポイント3製品との接続検証を実施し、安定した接続と運用の実用性を確認した。 - アステラスのAI創薬は人とロボットとの連携で花開く、7カ月で新薬を創出
アステラス製薬 専務担当役員 研究担当 CScOの志鷹義嗣氏は、2019年から進めてきたAI創薬の取り組みについての合同取材に応じた。AI創薬の大きな成果として、STING阻害剤として有効な「ASP5502」を創出するとともに、その最適化研究の期間を従来比で3分の1以下となる7カ月で完了することに成功したという。 - サイバー攻撃に狙われる医療機関、統合型のセキュリティアプローチが特効薬に
医療機関に対するサイバー攻撃の脅威が増大する一方で、セキュリティ対策がなかなか進まない状況にある。格好の標的となっている医療機関をサイバー攻撃から守るにはどうすればいいのだろうか。 - 国内の医療情報システム市場に関する調査、クラウド型電子カルテが増加
矢野経済研究所は、国内の医療情報システム市場の調査結果を発表した。2023年度の医療情報システム市場規模は前年度比3.2%増の2974億円で、2024年度は同1.0%増の3002億円と予測している。