パナソニックが表参道を舞台に“未来を共創する”2つのデザイン展を同時開催:デザインの力(5/5 ページ)
パナソニック デザイン本部は日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024」に参加し、東京・表参道にあるPanasonic Beauty OMOTESANDOで企画展「Aspect」を開催。併せて、FUTURE LIFE FACTORYのこれまでの歩みを紹介する「FLF EXHIBITION #00 ARCHIVE - 2024」を開催し、さまざまなプロトタイプなどを披露した。
14.AWARENESS
「AWARENESS」は「本能的な心地よさ」から発想した5つのプロトタイプを通じて、「未来のくらし」におけるデザインの可能性などを探求するプロジェクト。「Ununiformity」はヒーターで熱せられた形状記憶合金が温度変化とともに不均一にゆっくりとパネルを開閉させる様子を表現している。「Continuity」は無風なのに、実際に風が吹いているようにシートがゆらゆらと自然になびいて揺れる様子を作り出している。「Intimation」は照明とレンズを組み合わせ、レンズを制御することで光の表現をさまざまに変化させるコンセプトで、方角や時刻などの情報提示の在り方も提案する。「Presence」は布の上の水滴がまるで生き物のように動き、愛着を感じさせてくれる。こちらも時刻などの情報提示にも応用できる可能性がある。「Transition」は水に浮かべた葉や枝、石などが風でゆらいで動くと音を奏でてくれる。
FLFの活動は、このようなプロトタイプ開発を通じた新規事業の種の創出や「未来のくらし」のビジョンを世に示すことだけでなく、人材育成にも大きく寄与しているという。「FLFの活動を卒業して、元の職場に帰っていく人もいれば、社内の別の新しい道に進んでいった人もいる。各自が新しい能力を開花させて、次のステージでの活躍につなげている。普段の製品開発だけでは得られない業務体験を積むことで、視座を高められる。そのような機能がFLFにはある」と中田氏は説明する。
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