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アルミ材の摩擦撹拌接合に対応するロボット、安川電機が剛性高めた新製品:産業用ロボット
安川電機は、アルミ材の摩擦撹拌接合に対応したロボット「MOTOMAN-GG250」の販売を開始した。剛性を高めた機構設計で、加圧時の位置ずれを大幅に低減している。摩擦撹拌接合のほか、切削加工用途などにも使える。
安川電機は2024年10月8日、アルミ材の摩擦撹拌(かくはん)接合(Friction Stir Welding:FSW)ができるロボット「MOTOMAN-GG250」の販売を開始した。
摩擦撹拌接合は、突起のある円筒状のツールを回転させながら加圧し、その摩擦熱で部材を接合する方法だ。異なる金属同士を接合でき、熱変形や強度低下を抑えられるほか、消耗品が少ないためランニングコストや環境負荷が小さいという利点がある。しかし、ロボットによるFSWは加圧時にロボット自体がたわみ、それが接合品質低下の要因になっていた。
MOTOMAN-GG250は、剛性を高めた機構設計で、加圧時の位置ずれを大幅に低減した。また、新制御技術を採用し、繰り返し精度と軌跡精度が向上している。さらに絶対精度補正機能を組み合わせることで、絶対精度も向上できる。
最大リーチは2711mmで、可搬質量は250kg。大物ワークの接合や加工ができる。FSW用途だけでなく、穴開けやフライス加工、バリ取りなどの切削加工用途、高精度位置決め用途にも使える。
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