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SUSEがエッジに熱視線、3つのセグメントに分けてソリューションを展開エッジコンピューティング(2/2 ページ)

SUSEソフトウエアソリューションズジャパンが同社のエッジソリューションについて説明。ニアエッジ、ファーエッジ、タイニーエッジという3つのセグメントから成る“エッジ”に向けて適切なプロダクトを展開していく方針を示した。

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SUSEの考える“エッジ”とは何か

 ここで言う3つのセグメントというのが、冒頭に紹介したニアエッジ、ファーエッジ、タイニーエッジである。まずニアエッジは、エッジではないクラウドやデータセンターに最も近いエッジであり、5Gなどの移動体通信の基地局が代表になる。このニアエッジとネットワークを介してつながっているファーエッジは、多様なマシンが稼働している現場となる。ここで言う多様なマシンはオンプレミスサーバのように複数台のマシンで構成されている場合もあれば、1台のコンピュータだけの場合もある。また、場所が固定されている必要はなくクルーズ船のような移動体でもよい。「兵士が担いでいるバックパックコンピュータもファーエッジになり得る」(バジル氏)。

SUSEの考えるエッジは、ニアエッジ、ファーエッジ、タイニーエッジという3つのセグメントに分けられる
SUSEの考えるエッジは、ニアエッジ、ファーエッジ、タイニーエッジという3つのセグメントに分けられる[クリックで拡大] 出所:SUSEソフトウエアソリューションズジャパン

 一方、タイニーエッジは、SUSEが提供するLinuxやコンテナを組み込めない小型のIoTデバイスから構成されている。ファーエッジと通信を介して連携することにより、現実世界のデータを収集してデジタル世界に反映する役割を担う。

 SUSEはこれら3つのセグメントに向けて開発を進めているのが、統一されたコア(Unified Core)に基づくクラウドネイティブエッジプラットフォームである。この統一されたコアは、Linux OSによる制御とKubernetesによるコンテナ運用をラップアップしたもので、ニアエッジからファーエッジまでスケーラブルに適用できることを特徴としている。Linux OSとしてはSLEだけでなくより軽量のSLE Microがあり、コンテナ運用を担うRancherはエッジからサーバ、データセンターまで幅広く対応するソフトウェアになっている。

統一されたコアに基づくクラウドネイティブエッジプラットフォームの構成
統一されたコアに基づくクラウドネイティブエッジプラットフォームの構成[クリックで拡大] 出所:SUSEソフトウエアソリューションズジャパン

 Linuxを組み込むことができないタイニーエッジには、基本的には標準化されたプロトコルによりIoTデバイスとの間で通信を行うことで対応することになる。この標準化の作業で強みを発揮するのが、SUSEがLinuxなどのオープンソースソフトウェアで培ってきたオープンに開発を進める文化である。例えばタイニーエッジとの関わりでは、ABBやシュナイダーエレクトリック、ロックウェル、シーメンスといったグローバルの産業オートメーション企業がエッジの相互運用性の仕組みを定めるために2024年4月に設立したmargoイニシアチブに参画している。この他にも、エッジのIoTデバイスをKubernetesクラスタとして公開できるようにするプロジェクトであるAkriにも加わっている。

margoイニシアチブの参加企業
margoイニシアチブの参加企業[クリックで拡大] 出所:SUSEソフトウエアソリューションズジャパン

 バジル氏は「これらのオープンソースプロジェクトで議論を取り入れる形で、ファーエッジとタイニーエッジがより容易に連携を行えるプラットフォームの開発を進めている。早ければ2025年内にもリリースできるようにしたい」と述べている。

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