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「関連情報」の沼、ズブズブ行く前にさらっと済ませたいモノづくり総合版メルマガ 編集後記

アルゴリズムも進化していますが、人が探してまとめるからこそお役に立てるのではないかと。

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 この記事は、2024年10月3日発行の「モノづくり総合版メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


「関連情報」の沼、ズブズブ行く前にさらっと済ませたい

 メディアのWebサイトで記事を読んでいるとき、SNSでさまざまな投稿に目を通しているとき、オンラインショップで買い物をしているとき、ページ上のあちこちで関連情報のリンクが待ち構えています。

 メディアであれば今見ているのと関連する記事のタイトルが並んでいます。SNSでも「これが好きな人はあれも好きなはず」と言わんばかりに別の投稿がおすすめされますね。オンラインショップでは、前に見た商品を再度提案したり、「それを買った人はこれも買っていますよ」とアピールしたりしています。

 的外れな関連情報なら素通りするだけですが、興味のあるものだとそのリンクをたどりつづけて「最初のお目当てはなんだったっけ」と迷子になりかねないことがあります。興味のあるものを次々提示される面白さはあるのですが、気が散っているだけという感じもします。また、与えられた関連情報を手繰るだけでなく、自分で調べているうちに「そういえば……」と関連するキーワードを思い出してそれを掘っていくタイプの“沼”もあります。

 プライベートであれば脱線して迷子になることもまた楽しいのですが、沼にズブズブはまるがごとく調べている場合ではないという日も少なくありません。仕事中は特にそうだと思います。時と場合によっては、これを見ておけばだいたい押さえてあるというような「まとめ」がありがたいですね。

 関連情報は、閲覧やアクションの履歴を踏まえて機械的に提示されることもあれば、人間の手でピックアップされる場合もあります。アルゴリズムがずいぶん優秀だと感じる場面は増えていますが、誰かが意図や狙いを持って選んだものにも新たな気付きがあって個人的には好きです。

 ちなみに、MONOistやEETimesの記事の最後には「関連記事」という欄があるのですが、この関連記事の多くは手動で選ばれています。この記事の後に、あんな記事やこんな記事も読んでほしいという気持ちで選定されたラインアップなのです。関連記事は無限に掲載できるわけではないので、ある意味では厳選された「まとめ」でもあります。

 編集部による手動の「まとめ」は他にもあります。その代表例が「電子ブックレット」です。前から読んでいるという方、いつもありがとうございます。「時々流れてくるのは知っていたけど中身は見たことない……」という方、これを機会に目を通していただけるととてもうれしいです。

 電子ブックレットは、MONOistであれば「ebook」、EETimesであれば「電子版」というボタンがページの上部にあり、そこから見ることができます。気になったタイトルをクリックすると「ダウンロードはこちら」というボタンのあるページに移動します。そこから、アイティメディアIDにログインするか、新規登録することで読むことができます。

 例えば、自動車などモビリティ関連の電子ブックレットで一番新しいのは、トヨタ自動車とBMWの協業の歴史をMONOistに掲載した記事から振り返ったまとめです。このまとめでは、2011年12月に開かれたトヨタとBMWの会見を取材した当時の記事も掲載しています。古い記事がいいのは、会見の様子を含めて当時の空気感が伝わってくるところです。ちょっとした1つ1つのコメントもじっくり目を通したくなります。

 実はこのまとめ、トヨタとBMWが燃料電池車(FCV)に関して新たな協業を発表したのをきっかけに、MONOistの過去記事をピックアップして作りました。そういえばこれまでどんな出来事があったんだろう、と思ったからです。「何年何月に提携を発表した」と事実関係だけを追うのは簡単ですが、古い記事から当時の空気感まで振り返れると面白いのではないかという狙いでした。

 一人で、さまざまなメディアを検索しながらトヨタとBMWの協業の歴史を掘り起こすのは時間も手間もかかります。調べ物の沼にはまりがちな人にとっては、たくさんの寄り道や脱線も待ち構えていることでしょう。トヨタとBMWの協業をまとめたブックレットは、そんな沼からエッセンスをコップ1杯くらいに凝縮したイメージです。

 MONOistには2004年から記事が掲載されているので、MONOistだけでちょっとした情報の沼です。電子ブックレットは、そんな沼から各担当者がその時々に合わせたエッセンスを抜き取って制作されています。電子ブックレット自体の本数も多く、それはそれでまた1つの沼かもしれませんが、ぜひ見かけたら目を通してみてください。

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