生成AIで製造業の知財/開発業務の効率化を支援するツール:知財ニュース
トヨタテクニカルディベロップメントは2024年9月26日、知財業務支援ツール「swimy」に新たに生成AIを活用した機能を追加すると発表した。2024年10月のリリースを予定している。
トヨタテクニカルディベロップメントは2024年9月26日、知財業務支援ツール「swimy」に新たに生成AI(人工知能)を活用した機能を追加すると発表した。2024年10月のリリースを予定している。
新たに追加する機能は「swimy innovation」と「swimyLandScape」の2つ。知財、開発業務に携わる担当者の業務効率化や高品質化を狙うものとなっている。
swimy innovationは発明の創出から権利化までの作業効率化を支援する。発明提案書作成支援機能によって、開発担当者が入力したアイデアを基に、生成AIが指定のフォーマットで発明提案書を作成する他、既存特許の検索式案や文献抽出などを行う。発明提案書の内容から、明細書のドラフトも作成する。
さらに中間応答時の対応を支援する中間対応検討サポート機能では、生成AIが引例や拒絶理由を解析して相違点を提案する。他社の実施技術や自社特許のポートフォリオも併せて提案することで、権利化後の活用まで想定した応答案の作成を支援する。これらに加えて、出願案件管理も可能になる。
swimyLandScapeは技術動向や特許調査の調査結果をクラウド上で保管し、データのグラフ化や共有、閲覧ができるツールを提供する。生成AIによって、自動分類付与や要約、翻訳、動向解析調査も行える。
解析作業では、課題抽出や全体俯瞰、出願人の名寄せができる上、翻訳や要約抽出まで行える。内容把握に費やす時間を大幅に短縮できる。グラフ化によって、特定技術テーマの全体、あるいは、成長領域や競合他社の開発シナリオなどに絞った可視化も可能だ。侵害予防調査時には、対象特許に対する侵害の該当/非該当を生成AIが判断し、その判断理由も提示する。知財と開発担当者がリアルタイムに情報共有や進捗管理をし合う機能もあり、スクリーニング工程の効率化も期待できる。
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