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自社技術を知ってもらうために知財を使ってできることベンチャーに学ぶ「知財経営の実践的ヒント」(3)(1/3 ページ)

貧困解決を目指すFinTechサービスを支える技術を保有し、知財ポートフォリオ形成による参入障壁構築を進めるGlobal Mobility Service。同社の知財戦略と知財活動からビジネス保護に使える知見を紹介する。最終回は知財を起点に国際的なビジネスマッチングを加速させる。

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※今回の記事はIP BASEに寄稿したコラム「企業価値向上を支援する知財活動:WIPO GREENを活用した社外コミュニケーションのヒント」(IP BASEメールマガジン、11/1配信号)をベースに作成しております。


 連載第2回となる前回は、知財を身近に感じる社内風土の醸成をテーマにご紹介しました。今回は社外コミュニケーションを重視した知財活動について取り上げさせていただきます。

 具体的には、当社がパートナー認定いただいた、国連が運営する環境技術の技術移転を促すグローバルプラットフォーム「WIPO GREEN」を事例に、WIPO GREENとは何か、当社自身がどのような期待を寄せているかなどご紹介させていただきます。

⇒連載「ベンチャーに学ぶ『知財経営の実践的ヒント』」バックナンバー

知財で企業価値向上を向上

 中小企業やベンチャー企業にとって企業価値を向上し、ステークホルダーから信用を高めることは重要ですが、自社の企業価値を知財により裏付けることも心掛けたいものです。

 当社でも企業価値向上を支援する知財活動としてステークホルダー向けの説明資料の作成を支援しております。知財活用を推進するスタートアップとして特許庁主催のアワードを受賞(IP BASE AWARDにて奨励賞受賞※1)したことやSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の実践企業として国連活動に参加(WIPO GREENパートナー認定※2)していることなどを資料に記載することでステークホルダーからの信用を高めるよう努めています。

※1:特許庁の知的財産権アワードの第2回「IP BASE AWARD」にて奨励賞を受賞(当社プレスリリース
※2:国連の環境技術プラットフォーム「WIPO GREEN」にパートナー認定(当社プレスリリース

貧困と環境の課題を解決できるビジネスモデル

 当社は従来のローンやリースの与信審査に通過できず、自動車を所有して働けない方々へ、FinTechサービスによってファイナンスの利用機会を創出することで、所得向上や雇用創出などに取り組んでいます。これによって、SDGsの一丁目一番地である課題、“貧困”の解決を目指しているのです。なお図1で示す通り、当社の事業はSDGsとして挙げられる17個の目標のうち、10個の達成に貢献しています。


図1:SDGs目標とGMSの取り組み[クリックして拡大]出所: Global Mobility Service

 例えば、当社のIoT(モノのインターネット)デバイス「MCCS」はガソリン車だけでなく、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などにも搭載可能です。経年劣化した車両から低公害型車両への代替を促進するため、結果的に大気環境の改善にも貢献していると言えます。つまり貧困と並ぶSDGsの重要課題である“気候変動”の解決にもつながり得ると自負しています。

 ちなみに、私が当社に入社を決めた理由も、貧困や環境問題といった社会課題を解決するとともに、経済性もある、真の意味で「サステイナブル」なビジネスモデルのユニークさに魅力を感じたからでした。

 さて、こうしたビジネスモデルをよりグローバルに展開していく上で、(入社面接時から)私が活用を訴えてきたのがWIPO GREENです。

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