ブラック・ダックが復活、シノプシスのSIGは独立企業として羽ばたく:組み込み開発ニュース
シノプシスのソフトウェア・インテグリティ・グループ(SIG)は2024年10月1日、ブラック・ダック・ソフトウェア(Black Duck Software, Inc.)という社名で独立したことを発表した。日本法人の「ブラック・ダック・ソフトウェア合同会社」も発足している。
シノプシス(Synopsys)のソフトウェア・インテグリティ・グループ(SIG)は2024年10月1日、同日からブラック・ダック・ソフトウェア(Black Duck Software, Inc.)という社名で独立したことを発表した。日本法人の「ブラック・ダック・ソフトウェア合同会社」も発足している。
新社名は、主力製品であるソフトウェアサプライチェーンソリューションの「Black Duckソフトウェア・コンポジション解析(SCA)」に由来している。同ソリューションはシノプシスが2017年12月に買収した旧ブラック・ダック・ソフトウェアが提供していたもので、約7年ぶりにブラック・ダック・ソフトウェアの社名が復活することになる。
新生ブラック・ダックは、シノプシスのSIGがこれまで手掛けてきたアプリケーションセキュリティソリューションの全てのポートフォリオを提供する。Black Duckソフトウェア・コンポジション解析の他、静的解析ツール「Coverity」、アプリケーションの品質とセキュリティを向上させるSaaSプラットフォーム「Polaris」、動的解析ツール「WhiteHat Dynamic」、インタラクティブ解析ツール「Seeker」、ファジングテストツール「Defensics」の他、セキュリティテストサービス、コンサルティングサービス、監査サービスなどを展開していく。
新生ブラック・ダックのCEOは、2020年にシノプシスに入社し、SIGのジェネラル・マネージャを務めてきたJason Schmitt氏が引き続き務める。その他のSIG幹部もブラック・ダックで職務を継続する予定である。
シノプシスは2024年5月、SIGを投資会社のClearlake Capital GroupとFrancisco Partnersに最大21億米ドルで売却する最終契約を締結したことを発表。中核であるEDA(電子設計自動化)とIPの事業に注力する方針を示していた。その一方でシノプシスは2024年1月、CAE大手のアンシス(Ansys)の買収も発表している。
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