読み取り精度99%以上、液体入りガラスボトル専用のRFIDタグを開発:組み込み開発ニュース
サトーは、液体入りガラスボトル専用のRFIDタグを開発した。水分の影響を受けにくいラベル素材のため、湿度の高いワインセラーで1カ月使用した後でも、99%以上という高い読み取り精度を維持する。
サトーは2024年9月11日、液体入りガラスボトル専用のRFIDタグを開発し、同年11月より顧客への提案を開始すると発表した。
開発したRFIDタグは、ガラスやゴム、ワイン(液体)など、比誘電率の高いボトルへの全面貼り付けが可能だ。結露など水分の影響を受けにくいラベル素材のため、湿度の高いワインセラーで1カ月使用した後でも、99%以上という高い読み取り精度を維持する。ワインを業務販売する企業で試験導入したところ、実用性への高い評価が得られた。
電波暗室内の測定では、ワインボトルのボディーに貼ったラベルを1.2m以上の距離で読み取れた。ラベルのサイズは76×20mmで、ワインラベルより目立たないスリムサイズとなっている。また、ボトルがワインセラーで保存されることを想定し、ボトルの側面や底面、キャップ部分からでも情報の読み取りが可能だ。
同社プリンタ「SCeaTa CT4-LX」のRFID(UHF)モデルに対応し、ラベル面への文字印字やバーコード印字、RFIDタグへのデータ書き込みができる。
一般的なRFIDタグは液体が電波を吸収するため、ワインボトルのように液体が入った容器の管理には向いていない。また、ワインの在庫管理や棚卸は銘柄の知見を必要とし、ソムリエがボトルを1本ずつ確認しながら実施するため時間がかかっていた。液体入りボトルに対応する同タグを導入することで、一般のスタッフも在庫管理や棚卸に関わることができ、作業を効率化する。
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