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常温昇圧方式のCO2液化/貯蔵プロセスの実証実験に成功脱炭素

JX石油開発、日本郵船、その関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers(KNCC)は2024年8月28日、KNCCの独自技術「LCO2−EP CargoTank」を活用し、CO2の液化/貯蔵プロセス最適化検討の実証実験を行い成功した。

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 JX石油開発は2024年9月13日、日本郵船とその関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers(KNCC)と共同で、同年8月28日にKNCCの独自技術「LCO2−EP CargoTank」を活用し、CO2の液化/貯蔵プロセス最適化検討の実証実験を実施したと発表した。

技術成熟度レベルで6を達成

 3社は、常温で液化CO2を貯蔵/輸送する常温昇圧(EP)方式の特徴を活用した、ジュール・トムソン冷却方式によるCO2液化プロセス(本プロセス)を同年5月に考案した。なお、本プロセスで採用されたジュール・トムソン冷却方式は、回収したCO2を減圧することで生じる温度低下を活用し、船舶輸送に適する液化CO2を形成する。

ジュール・トムソン冷却方式(左)と外部冷媒方式(右)の比較
ジュール・トムソン冷却方式(左)と外部冷媒方式(右)の比較[クリックで拡大] 出所:JX石油開発

 実証試験は、KNCCがノルウェーに保有する実証施設「テストリグ」に本プロセスの液化装置を追加して実施。その結果、パイプラインで集積/輸送された状態を再現したCO2を液化し、常温昇圧(0〜10℃、34〜45気圧)で液化CO2を輸送する設備であるLCO2−EP CargoTankへ移送することに成功した。

 今回の実証試験の成功により、本プロセスで考案された技術は、特定の技術の開発段階や導入準備度合いを示すための尺度である「技術成熟度レベル(TRL)」で6を達成した。TRL6は今回の技術が導入する環境に近い状況で実証できる段階にあることを示す。

 本プロセスは原理上、従来の液化状態/方式に比べ液化効率が同等以上で、最大2割程度のエネルギー削減が見込まれる。また、本プロセスに要する設備は、従来の液化方式に比べてシンプルかつコンパクトで、モジュール化や浮体化も検討可能であることから、CO2回収/貯留技術(CCS)やCO2回収/有効利用/貯留技術(CCUS)のバリューチェーンにおけるCO2液化設備のコストおよび敷地面積の削減に貢献することが期待される。

左から、日本郵船 執行役員の横山勉氏、NYK Group Europe Norway Managing DirectorのAnders Lepsoe氏、JX石油開発 取締役 副社長執行役員の山田哲郎氏、Knutsen NYK Carbon Carriers CEOのOliver Hagen-Smith氏
左から、日本郵船 執行役員の横山勉氏、NYK Group Europe Norway Managing DirectorのAnders Lepsoe氏、JX石油開発 取締役 副社長執行役員の山田哲郎氏、Knutsen NYK Carbon Carriers CEOのOliver Hagen-Smith氏[クリックで拡大] 出所:JX石油開発

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