電子サイコロで工場DXを体験!? 日立とSAPがERPとIoTの連携ソリューションを展開:製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)
日立製作所とSAPは、製造業における生産計画と工場での製造実績のデータをシームレスに接続するとともに、発生している差異をリアルタイムで可視化するソリューションを構築した。東京・大手町の「SAP Experience Center Tokyo」では、電子サイコロを使ったショーケースによりこの工場DXを体験可能になっている。
電子サイコロでショーケースを体験、より詳細な実績データを見える化
SAP Experience Center Tokyoのショーケースは、バルブメーカーの工場における工程効率やOEE(設備総合効率)をベースに稼働率を見える化する事例を体験できるようになっている。ここでバルブメーカーとしているのは、今回のソリューションが個別受注生産を行っている製造業、複雑な組み立て作業を行っている製造業を対象としているためだ。
SAP Experience Center Tokyoのショーケースのイメージ。大型ディスプレイもS/4HANAの管理画面を、ノートPCのディスプレイにHDSMで収集/蓄積したデータを表示している。中央にあるのは、ショーケースの体験に使う電子サイコロだ[クリックで拡大] 出所:日立
ショーケースを実際に体験できるように、工場の各生産プロセスやその状態を示すための電子サイコロを用意している。センサーを組み込んだ電子サイコロはプロセス用とステータス用があり、作業者が状況に合わせて上側にくる電子サイコロの面を変更することで、製造現場における作業内容と実績データをHDSMで収集/蓄積してリアルタイムに見える化しながら、S4/HANAに反映させられることを確認できるようになっている。「PEOでは稼働時間や停止時間は分かるものの、いわゆる正味稼働時間や価値稼働時間までは把握できない。今回ショーケースの体験のために用意した電子サイコロを使えば、より詳細な製造実績データを収集し、それをリアルタイムに反映して工程効率やOEEとして見える化できることを確認してもらえるだろう」(廣氏)。
SAPのPEOは2017年から展開しており既に海外だけでなく国内でも採用されている。「今回、日立のHDSMと組み合わせる協業により、鉄道車両や半導体製造装置など、より広い顧客層に提案できるようになる」(森永氏)という。なお、今回の協業ソリューションは2022年12月に正式リリース以降、一部顧客からの受注が決まっており、SAP Experience Center Tokyoのショーケース公開を契機として提案活動をさらに拡大させたい考えだ。
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